食べ物や飲み物には嗜好があって、その評価は個人によって異なる。美
味しいワインが、隣の人にも美味しいと感じる確証はない。ワインが評
価されるのは、美味しい不味いという基準ではなく、そのワインの色、
香り、味にどんな特徴があるのか、それが伝統的なものなのか、醸造技
術の粋によるものなのか、などで評価される。

しかしこれはプロの評価であって、消費者としては自分にとって美味し
いワインを適切な値段で購入したい。ここにもどかしさと、多少の誤解
が生まれることになる。例えば、評価の高いワインを買ったのに、美味
しくない。ある評論家の採点だけが一人歩きして、ひいてはそのワイン
の価格がつり上がるなどだ。

ワインの評価にしても、ヒュー・ジョンソン氏の様にそのワインの特徴
を良く紹介して採点を避けるやり方もあるし、ロバート・パーカー氏の
様に100点満点形式で採点する人もいる。それぞれのやり方には長短
がある。それぞれの評価をうのみにせずに、一つの参考として受け止
め、自分好みのワインを探す事が必要だろう。

醸造家などが用いるワイン評価に20点方式のものがある。参考までに
紹介する。
評価は色、香り、味について採点される。採点はマイナス10点から2
0点の間となる。
色:―2点から3点
香:―2点から5点
味:―6点から12点

採点基準

濁って褐色になっている ―2
濁っている       ―1
澄んでいる        1
色合いが薄い       2
はっきりした色合い    3


欠陥臭がする      ―1~―2
心地よい、フルーティ   1~2
複雑な、上品な      3~4
複雑な、上品な、典型的  5


欠陥がある       ―1~-6
健全な、快い       1~3
調和がある、ボディがある 4~6
調和がある、十分なボディ 7~9
フルボディ、典型的   10~12

この採点方式では、欠陥のあるワインはマイナスとなる。褐色になるま
で酸化したワインはマイナス10点となる。逆に欠陥のないものは必ず
プラスになる。フレッシュ・フルーティなワインは11点前後に評価さ
れ、複雑なブーケを持つ力強いワインは16点前後、さらにこれが熟成
などによって、その種のワインの典型的とまで評価されるのであれば2
0点満点の評価になる。