アジアの災害が現在頻発し深刻である。国際社会は援助を惜しまないとしているが、軍事政権のミャンマーに、大地震で苦しんでいる中国も、最初は援助を拒んだ。スイスは中国よりもミャンマーの災害に援助をしているとしているが、これは中国への支援が拒否され難しいからとも言えるだろう。

 では、なぜこの大災害の時に、他国の援助を求めたがらないのか。その理由は、通常国際社会からの援助部隊には、必ず諜報部員いわゆるインテリジェンスが紛れて、ついて来るからである。要するに両国とも、国の内部事情を見られたくないわけだ。中国は特にオリンピックを控え、人権問題で世界中から注目が集まっている。聖火リレー妨害やオリンピックボイコット運動なども起きていて、窮地に追い込まれている。そんな最中のこの大地震。

 連日報道されているが、死者は日に日に増えていき、8万人まで達するのではと言われている。各地の情報やTVの映像も配信されているが、取材が可能な範囲は限られているようだ。

 今回の地震の震源地に近い地域に、ご存知チベット自治区がある。しかしながら、その地域からの映像や情報はほとんど出てこない。既にミャンマーではコレラが確認されていて、伝染病等も心配される。また、この地域では鳥インフルエンザも発見されている地域で、人に感染するという新種の人インフルエンザが流行すれば大変な事になる。地図で見るとミャンマーとチベット自治区、中国はそれほど離れていない。

 もうひとつ深刻なことは、中国にある核施設だ。これについてはやっと情報が出てきたが、核施設が今回の地震で倒壊している可能性があること。そして、核弾頭と思われる放射性物質が、32個がれきに埋まり、そのうち2個がまだ見つからないという報道もされた。同じ地域ではないが、核施設だけではなく、核の廃棄施設もある。

 これが国際援助を頑なに拒む理由であろう。ただし、日本からの救援部隊は受け入れられたが、これについては他国の部隊のように諜報部員が入っていない事を確認して受け入れたと考えられる。更には冷え切った日中関係に、日本部隊を受け入れたと言う事で、日中友好アピールを示したとも受け取れるが、多くの人がまだ埋まっている中でそんな悠長な事をやっていられるのかという声も多い。

 今は国際社会と協力し、苦しんでいる人達を出来る限り救ってほしいと願うばかりだ。国際社会も決して中国の人達を見捨ててはいけない。