春の日差しというよりは、夏と言った方がいいくらい天気の良くなってきたスイスですが、日差しが強くなるにつれて、サングラスが必需品となってくる時期でもあります。

 日本に比べるとサングラスをしている人が多いように見受けられますが、これは我々日本人と欧州の人の目の色素の違いがあるため、一般的に色素の薄いとされる欧州の人達は、まぶしさを感じやすいわけです。

 有害な紫外線をカットするサングラスですが、そもそも紫外線は主に3つの波長に分けられ、UVA波(波長が320-400nm)、UVB波(波長が280-320nm)、UVC波(波長が200-280nm)となります。地球に到達する太陽光線のうち、波長の短いものを言います。一般的に言われるUVがUVA波で、シミやソバカスの原因となるものです。

 UVB波は皮膚の細胞膜などを破壊し、炎症などを引き起こし、皮膚がんの原因にもなる事があります。UVA波に比べても強いUVで、短時間でダメージを受けます。

 UVC波は更に強い紫外線で、普通はオゾン層で吸収されて、地球には届かないものですが、近年のオゾン層破壊などで影響がないとはいえない危険な紫外線です。

 これら紫外線は、当然目にも負担をかけ、目の病気も引き起こすため、その予防としてもサングラスが使用されます。ここで注意したいのがサングラスの色です。欧州で見かけるサングラスのほとんどが真っ黒のもの。確かに暗い方が、昼間の強い日差しには効果的ですが、我々の目は暗いところでは、光を集めようとして瞳孔が開きます。

 例えば、映画館などの暗い空間に入った時に、目が慣れるまでに少し時間を要しますが、これは目が瞳孔を開いて光を集め、視界を確保しようとする働きです。これと同じ事がサングラスをかけたときにも起こっていて、逆に言えば瞳孔が開いたままの目に紫外線が大量に入ってきていてあまり良くありません。紫外線はサングラスでは100%は防げません。フレームの隙間からも入ってきます。

 まぶしさを感じる度合いも人によって違いますから、かけてみて少しまぶしさが和らぐくらいの色にした方が良いでしょう。色で言えば60%から80%程度の濃さです。また、格安で売られているようなサングラスには、UVカットが入っていないものも実はあります。これが入っていなければ、まぶしさは軽減できても、紫外線は全く防げませんので、逆効果です。メガネ屋さんには大抵、UVカットのテスターがありますので、チェックしてもらえばすぐに分かります。

 また、大抵のコンタクトレンズにはUVカット機能が入っていますので、100%に近い割合で紫外線を防ぐ事が出来ます。サングラスの他にも帽子をかぶるなどして、紫外線を防ぐのが効果的でしょう。

 湿気が少ない分、日本に比べ過ごしやすいスイスの夏ですが、曇りがちの天気の場合も紫外線はしっかり出ています。そして、真夏よりはちょうど今頃の時期に紫外線が多く出ていますので、注意しましょう。