スイスの中学校の遠隔授業

今週から始まった遠隔授業

スイスも全国の学校が臨時休校となり、各家庭が対応に追われています。一部の生徒は、学校に出向いていわゆる学校側での少数預かりというケースもありますが、その他のケースは自宅待機で、ホームラーニングという形を取っています。
今の時代、各生徒にはテストや授業のプランなど、各IDが配布されて、全てオンラインで管理されています。テストの結果もオンラインで確認でき、次のテストの日程もカレンダーがあります。それとは別に、学校用のメールアドレスも作ってあるようで、今回の遠隔授業でマイクロソフトのONE NOTEが導入されています。
すでに生徒達は、マイクロソフトのIDを持っていて、ログインした状態でONE NOTEアプリをダウンロードするだけ。
そうするとそこに、授業の時間割通りの課題が出て来ます。

自己管理能力を養う

普段、スマホやタブレットでゲームをしたり動画を見たりして、あまりの使用頻度に親御さん達は怒っていると思いますが、この学校のオンラインシステムは、なかなかうまくできていて、子供達のパソコンの使用テクニックも知らぬ間に上がっています。パワーポイントなどは、すでに小学校の頃から使っていて、大人顔負けのプレゼン資料を作る子もいます。
学校の課題の管理も、自分でログインしてみることで、計画が立てやすく、無駄な紙の書類もほぼ不要。必要がなければ、プリントアウトは環境のためにしないようになんてことも書いてありました。

とにかく、遊びも勉強もそして将来的には仕事にも役立つパソコンスキルは、小学校の頃から磨かれていきます。自分たちの時代とは大違いです。新しいものに慣れているので、何かをインストールする作業なども、特に抵抗もなく、エラーが出ても対応できるようになっていきます。

臨時休校は学習レベルに個人差が出てくることも

こうしたオンラインシステムのおかげで、子供達も先生達も授業の遅れを回避できますが、やはりこうした例外的な自宅待機となると、先生の監視もなく、だらけてしまう子もいます。
例えば、親が家にいない時間が長い子は、全く監視されずにパソコンにログインすらしないこともあるでしょう。そうすると、遅れを取り戻すはずの遠隔授業が、さらに遅れを取ることになるケースもあると思います。課題などは、先生にメールで報告するようになっているので、報告がない子把握できますが、先生が家にまで来て指導するわけにはいきませんし、各家庭の環境もあると思います。

つまり、この臨時休校明けに、生徒の学習レベルの差が出ていてもおかしくありません。いいところばかりではないのです。
ただ、前述したように生徒の自己管理能力が養われる機会ではあるので、ポジティブな面もあります。
コロナウィルスによる臨時休校は全くの予想外ですが、これから何が起こるかわかりませんし、危機管理能力という面でいい経験になればと思います。