海外在住者の日本の銀行口座・証券口座

非居住者の銀行・証券口座が対象に

以前から、海外在住者の間で話題になっていた、日本でそのままにしてある銀行口座や証券口座。

本来は、海外に転出する際に、日本で住民票がない場合、口座を閉めるのが規定になっています。

もちろん短期での海外赴任や留学の場合は、住民票も銀行口座もそのままのケースが多いでしょう。単身赴任で家族は日本に残るケースもあります。

これまで、日本に住んでいた頃に持っていた銀行口座は、非居住者登録をすれば所持が可能な口座もありました。銀行側も特に何も言ってこなかったのですが、今年から口座名義人の日本居住の有無を確認するように、国税庁から各金融機関に通達が出たそうです。すでに居住の有無の質問状を受け取ったり、電話確認があった人がいるようです。

高額預金の口座から順番に連絡が来ると言われますが、非居住者の確認は今のところ無しという話も聞きます。

これは金融機関や個人の預金状況、ステータスなどによって当然ながら違うようです。

きちんと税務処理をされていれば、必要な書類を提出して大丈夫なケースもありますが、最悪、口座凍結、閉鎖などの処置をもらう可能性もあります。

ここ数十年で、振り込め詐欺などの犯罪が横行し、住民票がないと日本の銀行には口座が新規で作れません。

そのため、海外移住をしても日本の口座を残す人が多く、いつか帰国するかもしれない時のために送金を定期的にしている人もいます。

また、年金受け取りのために、日本に口座がないと困ると言った人もいます。

マネーロンダリング防止のための質問状

5、6年前になりますが、海外口座との送金、着金の取引があった名義人に、マネーロンダリング防止の質問状が届いたことがあります。

内容は、何のために海外送金(受け取り)等をするのかという、取引目的確認書でした。

銀行側は、どの名義人が海外に住んでいるのかはおそらく認識していると思いますが、住民票の転出届が出されている時点で調べればわかることです。

マネーロンダリング防止、テロ準備金などの送金や受け取り防止が目的なので、本来一般の名義人には関係ないことですが、休眠口座を悪用されてしまうケースもあるので、そうした質問状と確認が来たようです。

自身もそうした休眠口座は何年も前に閉鎖しましたが、犯罪に巻き込まれないためにも、使っていない口座は閉鎖した方が良いようです。

税申告の際、残高証明を提出しているか?

非居住者の日本での口座所持については、まだこれからどのようなケースが出てくるのか不明ですが、間違いなく厳しくなってきています。

マイナンバーカードの登録もそうですが、デジタル化が進み、他国との連携もしやすくなってきています。

そのため、どこの国にいても、口座情報などは2国間で共有できるようになりつつあります。

年金制度なども、日本と協定のある国では、誰がいくら払ったかなどの情報を共有し受給額、受け取り国が決まったりします。

海外に住んでいる人は、居住国で確定申告をすると思いますが、スイスの場合は全て自己申告で行います。または、税理士さんに依頼して行います。

その際に、日本に所有する預金や証券口座をきちんと申告しているか?ということがあります。

もし、どちらの国でも預金資産として申告していない場合、資産隠しや税逃れとして見なされるケースもあります。

もちろん、ほんの少しの預金しかない場合もありますが、高額の場合は特に、近年残高証明を提出するようになったとしても、その預金は今までどこにあったのか?ということで、遡って追徴課税される場合もあるそうですので注意が必要です。

もし、自分で判断できない場合は税理士に相談するといいでしょう。

振り込みの認証コードもSMSに移行?

日本にある銀行口座を照会したり、振り込みをしたりするために、海外からオンラインでもできますが、その際に認証コードを発行したりして、2段階認証を採用している銀行がほとんどだと思います。

小さな番号がついた端末でコードを出す場合もあれば、メールで認証する場合もあります。日本の携帯番号を持っている人は、ショートメッセージでコードを受け取ることもできます。

ただ、海外在住者にとっては、日本の携帯番号を取得するには日本に住民票がないとできないため、実質無理です。

日本の家族に頼み、家族携帯のようなプランで持っている方やプリペイド携帯で持っている人もいますが、いずれも住民票を入れた時に作ったものですので、海外に転出してそのままになっている銀行口座と同じようなものです。

各金融機関が、非居住者をより特定できるように、こうしたコードでの認証を日本の携帯番号でのショートメッセージに切り替えをする傾向が見られるそうで、そうなった場合に、海外からのオンラインバンキングも難しくなります。

銀行口座、携帯番号、運転免許証とマイナンバーカード。

これらを紐づけたい意向なのは何年も前からわかっていることですが、身分証明書の代わりともなっている運転免許証まで更新ができなくなるのではないか?と心配になります。

ただ、運転免許証に関しては、現時点では、一時帰国でも家族や仮の住所でも良いので登録してあれば、更新が可能にはなっていますが、こうした規定も変わりつつあるのかもしれません。

本帰国した場合に全て取り直し

ますます在外邦人のステータスの幅が狭まってきていますが、長期滞在後の20年、30年後に日本へ帰国するというケースもあります。

運転免許などは、すでに更新期限切れの場合、また取り直すのか、海外の免許証から書き換えが可能なのか?など、諸々の手続きを最初からやり直すことにもなります。

年金受給者や健康保険、これまで居住していた国での手続きなど、両国で様々な手続きをするとなると本当に大変になるでしょう。

マイナンバーなどは、海外の在外公館でも取得が可能になりましたので、もし本帰国を予定されている方は、取得しておいた方がスムーズなのかもしれません。

 

国際結婚も増え、日本でも移民が増えているだけに、こうした問題はこれからもどんどん出てくるのではないかなと思います。

二重国籍の問題も然り、これだけグローバルな世界になった今、各国で規定の見直しがあって当然でしょう。

銀行の口座名義人については、非居住者という事実を知らせたくないので、銀行に直接問い合わせをしたくないという人もいます。

しかし、いずれはそうした質問状が届くことを考えれば、何かしら準備をしておいた方がいいのではないかなと思います。

*居住国や預金状況など、個々のケース、各金融機関の対応も異なりますので、気になる方は、金融機関へお問い合わせください。