ナイフを持ち歩く若者たち

深夜まで集まり、騒ぎが最悪の事態に

先週の金曜日にスイスの多くの学校は最終日を迎え夏休みに入りました。

特に中学や高校を卒業する子たちは、その日に集まりパーティーを開催したり、BBQなどをして騒ぐのが恒例となっています。

少年少女たちが、当然のようにアルコール類を持ち寄り騒ぐので、地元の警察もその日は深夜まで見回りをします。

当然トラブルも多いからです。

事件は金曜日の深夜未明に

バーゼル近郊の地域でも夏休みに入り、ある学校の敷地内に若者が集まり騒いでいましたが、最悪の事態が起こりました。深夜2時から3時の間に、助けを求める悲鳴が聞こえ、近所の住人が通報すると、18歳の男性が15歳の少年と何かしらトラブルになり、15歳の少年をナイフで刺して、死亡させてしまいました。

詳しい動機などはわかっていませんが、喧嘩がエスカレートしたとみられています。

スイスでの銃犯罪は、兵役義務の関係でたびたび起きていますが、アメリカのように一般家庭に銃があるわけではありません。

しかし、若者がナイフを所持している確率が多く、深夜の街中での喧嘩の際には、今回のように死傷事件につながるケースがあります。

多くの少年たちがナイフを持って行動していることに驚きます。

ごく普通の家庭で育った加害青年

今回の事件の被害者と加害者は、同じ地域に住んでいたそうで、顔見知りであったと思われますが、中学を卒業したばかりの被害者と18歳の青年との間で、何があったのかはわかりません。

残念ながら慣れないアルコール類の飲み過ぎで、トラブルになるケースはよく聞きます。中学卒業時点では、ほとんどの生徒が15歳ですので、まだお酒は飲めませんが、自宅から持ってきている場合がほとんどです。

また、薬物なども中学校で出回っているケースもあり、校内で大麻を吸っていたりして、先生に注意されるというケースがたまにあります。

お酒を持ち寄り、どんちゃん騒ぎをしている場合は、誰かがドラッグを持ってきていることも当たり前で、摂取しすぎて救急搬送される子もたくさんいます。

おとなびていても、まだまだ社会経験の浅い子達がほとんどですので、周囲の大人が気をつけてやり、危ないと思う場面では、助言してあげることも重要です。

間違った場所、間違った時間に、こうした悲しい事件に出くわし、被害を目撃しただけでも、トラウマになりかねません。

加害者、被害者の家族、その周辺地域の人間関係など、すべてが狂ってしまうような事件です。

夏休み初日の悲しい事件に、同地域の同年代の子供達とその親御さんは相当なショックを受けているようです。