テレワークや外出自粛で家族関係が悪くなる家庭

ロックダウンから1ヶ月のスイス

 この1ヶ月、新型コロナウィルスのニュースを聞かない日はなかったわけですが、皆さんがどのように過ごしているのか、例えばミュージシャンがカメラの前で音楽を披露したり、ベランダ越しにオペラを披露したり、家で筋トレをしたり、それぞれできる範囲で自宅で楽しむ様子は多くメディアでも取り上げられました。
 一方で、ロックダウン中に家庭内の暴力や不和に陥っている人が多いことも何度か報じられましたが、最近はちょっと減ってしまったと思います。

生活スタイルが一変した

 ほとんどの家庭で、生活スタイルがガラッと変わり、予定していたことができなくなり、外出も制限されました。親は自宅でテレワーク、子供達は自宅で遠隔授業となると、家族間の距離も近くなり、お互い気を使うことが多くなっています。
 更には、短縮労働や解雇などの問題が加われば、家の中では雰囲気が悪くなるのも当然です。仕事を失って、先行きの見えない不安やアクティブに就職活動もできない状況で、家には家族全員が常にいる環境。これでは、イライラして喧嘩になるのも十分考えられます。

ご近所の家庭にも変化が

 ひょんなことから、ご近所の女性を見かけなくなったなと思っていたところ、数日後にその理由が判明します。その女性は、パートナーの男性と2人の連れ子と一緒に4人で暮らしていました。仲の良い家族で、二人は結婚こそしていなかったものの、働きながら二人の子供の面倒も本当の母親のようにしてみており、偉いなあといつも思っていました。
 しかし、最近になって、臨時休校なのに子供も見かけないしその女性も見かけません。自宅待機なのか、パートナーの男性だけはたまに見るのですが、先日、出かける際にちょうどその男性とばったり会いました。それも一緒にいたのは見たことのない若い女性で、その瞬間女性と子供たちを見かけなくなった理由がわかった気がしました。
 事情はもちろん知りません。でもほんの1月前にご近所の女性と妻は家の前で話をしており、特に変わった様子はなかったので驚きました。
 もともと、子供達は、前の奥さんのところにもよく行っていたようなので、臨時休校中はそちらで過ごしているのかと思っていたのですが、どうやら違うようです。
本人には聞けませんし、事情も知りません。ただ、彼以外の家族が居なくなったことは確かです。仲の良かった家族だけに、残念ですが、コロナによる自宅待機や生活環境の急な変化で何が起こるかわかりません。

家庭内暴力や虐待の報告も増えた

 ロックダウンが実施されてからすぐに、この問題はメディアでも取り上げられていました。そうした家族が家庭内に閉じこもってしまうと、ますますわからなくなります。特に子供たちに危害が及ぶような環境にある場合は深刻です。家庭内暴力も、夫婦間での問題を他人に知られたくないと思い、相談に行くのが遅くなるケースもあるということです。親兄弟や親しい友人などが気がついて対応できればいいのですが、多くの場合はコンタクトを絶ってしまっていることも多いため、難しいところではあります。

BLEIBEN SIE ZUHAUSE (家にいましょう)というスローガンが、TVでもラジオでも叫ばれていますが、 家にいることで危険に晒されている子供達もいるということを忘れてはなりません。児童保護の機関の下記サイトでも、新しい環境下での対策などが紹介されています。
https://www.kinderschutz.ch/de/gewaltfrei-miteinander.html