コロナ禍を経て別居する夫婦増加

夫婦の時間が増えて、、

コロナパンデミックが始まり、まもなく3年です。スイスではもう大きな話題にはなっていないコロナですが、この期間は、リモートワークや時短出勤などで、家族が一緒に家にいる時間が増えました。

家族の時間が増えて一見良さそうですが、亀裂が入ってしまう夫婦も多かった様です。

コロナ禍のDVや別居、離婚が増えたのは、メディアでも度々話題になっていましたし、実際に自分の周りでも多かった様に思います。

特に夫婦が一緒に過ごす時間が増えて、お互いの嫌な所がたくさん見えてしまい、喧嘩に発展するパターンは多かったかもしれません。

普段の生活パターンも影響

つい先日も知人夫婦が別居すると聞き、すでにご主人がアパートを探しているとか。

この夫妻には子供が二人いて、どこにでもいる幸せそうなスイス人一家でしたが、詳細は不明なものの、奥さんがもう耐えられない!ということらしいです。

わかっているのは、旦那さんの趣味が以前から問題?になっていた様で、家族を顧みず、週末も趣味に没頭し不在だった様です。

自宅でも趣味専用の部屋を作り、二人の子供部屋になるはずのスペースもご主人が使っていて、そんなことが許されるのか、と密かに思ってはいました。

一緒に過ごす時間と共通の趣味

周りには国際結婚組が多いので、コロナ禍に関係なく、別居や離婚の話は毎年の様にあります。

しかし、スイス人夫婦の友人たちもこのところ増えた気がしています。それは、その夫婦の普段の生活にもあるのかなと思います。

簡単にいうと、共通の趣味などで、普段から一緒に過ごす時間が多い夫婦は、コロナでも関係性は変わらず。(悪くはなっていない)

しかし、これまで一緒に過ごす時間が少なかった夫婦は、コロナで一緒に過ごす時間が増えて夫婦喧嘩へ発展!というパターンが多く見られます。(あくまで個人的な見解です。)

距離が近すぎると、お互い接し方がわからないということでしょうか。

なんとなくですが、定年後に趣味もなくずっと家にいる旦那さんと奥さんが衝突するのにも似ている気がします。

子供のために考える別居

夫婦で別居すると決断した場合は、子供のいる家庭において、ほとんどの場合は旦那さんが家の近くにアパートを借りて、いつでも子供の面倒を見れる様にするケースが多いです。

日本の場合は、(少し古いのかもしれませんが)子供が成人するまでは待とう、と考える夫婦が多い様に思います。つまりそれまで我慢するということで、いわば家庭内別居の様なものでしょうか。

しかし、スイス人の場合、子供が成人するまで待つという選択肢はないようで、子供のために最善の策を考えます。それが、旦那さんが近くにアパートを借りるということにつながっていると思いますが、それはそれで合理的と言えます。

スイスの場合は、特別な理由を除き、別居を一定期間してからでないと、離婚手続きが取れない場合がほとんどですので、どちらかが近くに住むということになります。

親の別居は、子供にも影響が当然あるでしょうから、慎重にそして円満に別居しようという夫婦が多いです。

また、子供にもちゃんと説明をする夫妻が多い印象ですので、その辺、対応の仕方は上手な人が多いのかなと思います。

もちろん、円満に解決しない夫婦もたくさんいるとは思いますが、子供への影響を最初に考えている人がほとんどでしょう。

家庭内暴力は周囲もピリピリする

知人夫妻の様に、ちゃんと段階を踏んで別居し、解決を目指している場合は、まだいいのですが、早急に対応をした方が良いのは家庭内暴力です。

いわゆるDVもコロナ禍に増えてしまったのですが、実際には家庭内の事なので、外から詳細はわかりません。

スイスでは、DV疑いの際、ひどいと判断した場合は、近所の人が警察に通報するそうですが、この判断も非常に難しいところがあります。

通報が原因で、その家庭がより険悪になったり、仮に逮捕者が出たら子供の面倒を誰が見るのかとか、他人の家庭を窮地に追いやる可能性もあります。

それでも、死者が出てからでは遅いと考える人が多い様で、奥さんに明らかな顔のあざや怪我が確認できれば、通報になるでしょう。

外国人家族の悲鳴

近所にも移住してきたばかりの外国人家族がいます。小さな子供さんが二人いて、現地の学校に通っているのですが、先日は真夜中に悲鳴と怒号、家具を叩きつける様な音がしたそうです。

その後は、女性の鳴く声が30分も響き渡り、ご近所さんも通報をするか迷ったそうです。喧嘩の様に、争う声も聞こえず、ただ唸り声と悲鳴だけが聞こえたとか。真夜中にそんな声がするだけで異常事態とは思います。

スイスに来て、言葉もままならないまま、毎日生活をし、最初は相当なストレスでしょう。スイスに希望を見出して、思い切って移住をしてきた家族に何があったのかわかりませんが、事件が起こらないことを祈りつつ、少し冷や冷やしています。

この様に、残念なニュースが多いこの頃ですが、生活スタイルも様変わりさせてしまった、コロナパンデミック。

家族計画、人生計画も大きく軌道修正した人も多いでしょう。

戦争も始まって、先を予想しづらい世の中ですが、2022年もあと1ヶ月ちょっとです。

無事に年末を迎え、来年は世の中がもっと希望を持てる1年になればと願うばかりです。