日本の小学校で子供たちが教室を掃除をすることに驚くスイス人

スイスのテレビで観たというスイス人

日本の学校の様子を紹介するドキュメンタリー番組は、スイスでも昔から度々紹介されています。40年近く前にも、日本の学習塾ブームの様子を取材した番組がスイスでもあったそうで、学校の授業で先生がスイスの生徒たちに見せたそうです。

また、近年ドイツのテレビ番組では、日本の学校給食の紹介番組もありました。子供の肥満問題に頭を悩ませるドイツが、日本の学校給食のシステムを参考に何かしら改善できないものかと、一時は真剣に議論されたそうです。

イギリスの料理家、ジェイミー・オリバー氏も子供達の食事について改善をするプロジェクトを行なっていましたし、単なるグルメとしてではなく、健康面での取り組みをしている国も多い印象です。

確かに、日本人には当たり前の学校給食ですが、カロリーなどがきちんと計算された献立は、素晴らしいものがあります。好き嫌いがあっても、学校でなら食べる子供も多かった様に覚えています。

詰め込み教育や遅くまで塾に通い受験戦争に駆り出される子供達をかわいそうだというスイスの人もかつてはいましたが、そんな良いところも悪いところも、日本の教育は度々紹介されてきました。

教室の掃除

その一つに、学校の授業の終わりに、掃除当番が教室を掃除するという活動があります。活動と言うと変ですが、これもごく当たり前のこととして日本人は認識していると思います。

自分たちの使った教室、椅子や机は自分たちで綺麗にしようと言うことで、掃除も学校生活の一部であります。

そんな様子を見て、スイス人が思ったのは、なぜ子供たちが掃除しなければならないのか?掃除のスタッフはいないのか?と言うことでした。

人によっては、これもやり過ぎだと感じる人もいた様で、掃除は子供の仕事ではなく清掃員の仕事だと。

その辺の意識は、おそらく違うのだろうなと思ったことが何度かありますが、鉄道の線路や道路に平気でタバコの吸殻やゴミを捨てたりしているのを見て、何故ゴミ箱や灰皿に捨てない?と聞いたことがありますが、毎週掃除の人が来るから、捨てても良いんだと言う答えが帰ってきました。

確かに、街の清掃は行き届いているし、清掃員も来ます。だからと言って、清掃員の仕事を増やさなくても良いのにと思いましたが、逆に清掃員の仕事を奪うことはしないと、半分屁理屈の様な理由づけでした。

そんなことを思うスイス人は、たぶん少ないと思いますが、意識の違いはあると思います。

サッカーワールドカップのゴミ拾いが話題

そんな中、現在開催中のサッカーワールドカップで、日本のサポーターが試合後のゴミ拾いをしていると話題になっていました。ここでも清掃員の仕事を奪うなと言う声もあった様ですが、大方感心されている様です。

更に、選手たちの使ったロッカールームは、綺麗に片付けされていて、そちらも紹介されていました。

これは、前述の日本の学校で自分たちの教室を掃除することにつながっているのかもしれません。

サッカー選手たちのは、部活動などでの上下関係や規律が厳しく、例えば使ったボールを毎日綺麗に拭くとか、用具の手入れや片付けは、当然のことです。

プロのスポーツ選手でなくても、部活動を経験した人はわかると思います。

今活躍している日本代表の選手たちも、おそらくそう言う慣れ親しんだ行動が出ているだけだと思います。

サポーターのゴミ拾いも、ひょっとしたらサッカー部などの部活経験の発想から来ているのかもしれませんが、他国の人に褒められる事は、迷惑かけるよりは遥に良いことではないかなと思います。

日本人は綺麗好きか?

この質問の答えは、正直分かりませんが、日本の街は比較的綺麗だと思います。個人的にはスイスの街もゴミ箱が多くて、清掃も行き届いていると思います。

しかし、会社や学校などがゴミ拾い活動をすると、空き地や海岸沿いの砂浜では、大量のゴミが回収されます。風で飛んできたゴミもあるでしょうが、ポイ捨てする人もいると言うことです。

時に、会社やお役所のデスク周りを見ると、物凄い量の書類が両側に山積みにされていて、何かが汚れているわけではないのですが、とても整理されている様には見えません。

もちろん整理された綺麗なオフィスもありますし、人目につく場所では、綺麗になっていると言ったほうがいいでしょうか?

会社の関係者以外が来るスペース(来客スペース。トイレも)は、間違いなく綺麗です。

そんな環境で働いている人も、家に帰れば、ものすごく散らかっていたりして、決して日本人全員が綺麗好きなわけではないと思います。

今回のワールドカップのゴミ拾いニュースを見て感心したスイス人が、我が家に来てがっかりしないように、こまめに片付けや掃除をしようと思います。