近所の知り合いの話
とあるご近所さんの話です。
この地域では誰もが知っている長老的な人物。
すでに引退していますが、毎日のジョギングを欠かさない、なかなかのスポーツマンです。
若い頃は、カントンの選抜チームにも選ばれたことがあるとか。
70歳は過ぎていると思いますが、毎回10kmは走るそうです。
そんな彼が、隣の家に引っ越して来た若い家族に随分と苦労したそうです。
数年前に越して来たその家族は、ご主人が内装工事か何かの仕事で、購入した家の内外のリフォーム作業を自分で始めます。
仕事柄、自分でできることも多く、大きな機械も会社から持って来て作業するので、材料費だけでリフォームができると言うご主人。
しかし、その改装作業が毎晩のように続き、機械を回す音から、作業する音まで、5軒隣くらいまで響き渡っていたそうです。
さすがにうるさくて、近所の誰かがクレームをつけたものの、途中で作業を止めるわけにもいかず、結局改善しないまま作業完了したそうです。
当然、業者に頼めば、昼間に作業して夜は静かなはずですが、この家族は完全に逆でしたので、ご近所トラブルの発端になっていました。
事前にリフォーム作業をすると言うお知らせもなく、勝手に初めて、勝手に終わったそうです。クレームが来ても全く気にしてない様子。
ヤシの木の葉っぱは、勝手に切られ
作業が終わりほっとしたのも束の間。
彼らのお隣の長老のお宅の庭には、大きなヤシの木があります。
最近育ち過ぎて、葉っぱが大きくなり、柵を超えて、その若い家族の庭に少し出ていたとか。
そろそろ切るかと思い庭に出ると、なんとそのお隣の家族に、勝手に葉っぱが切断されていたそうです。
自分の敷地に葉っぱが出ていたら、それを伝えるのが普通ですが、その若い家族は、なんの断りもなしに、勝手に切ってしまったそうです。
コミニケーションが下手なのか、ただ単に礼儀がないのか、彼も驚いていました。
それを聞いて、自分ならどう対応しただろうかと思ってしまいました。
おそらく、話に行ったとは思いますが、根本的に会話ができない相手の場合は、気まずくなるだけです。
相手はなんでクレームが来てるのかを、理解していないケースが多いからです。
誰の目にも迷惑だと思われる行為なのに、している方は意外にもなんとも思っていない、と言うケースを自分も経験しています。
「最近の若い人は遠慮がない、、、、」と彼はひとこと言いました。
挨拶をするスイス人としないスイス人
世代的な差ももちろんありますが、コミニケーションの欠如がやはり多いのかなと思います。
年配の人ほど挨拶をし、世間話でもなんでも会話をしたがる傾向にありますし、実際、そうして近所の付き合いをして、防犯にも役立ててきたと聞きます。
若い世代は、自分たちの世代だけでコミニケーションが完了し、他は必要としていないのかもしれません。
自分の経験からもそう感じます。
スイスでは、田舎に行けば行くほど、すれ違う見知らぬ人にも「グリエッツィ!」と挨拶をすることが多いです。
例えば、いつも同じ通勤時間帯にすれ違えば、挨拶をする場合があります。
引越ししたら、まずはご近所に挨拶を、と言うのも世代間で差があり、年配の人ほど挨拶をしに行きます。
若い家族は、まず挨拶には来ないそうです。
ただ、こちらから挨拶をしても、無視されることもありますので、その場合は無理してコミニケーションを取らなくてもいいのかなと思います。
日本の都会で育った人には、見知らぬ人との挨拶が新鮮でもあり、奇妙でもありますが、世界共通、挨拶は大事なんだと改めて思います。