スイス国外からのアパート探し

これから赴任する地がスイスの場合

スイスに仕事で赴任したり、留学したりする場合、住居の確保は最初のハードルになります。

海外に住んでいたスイス人が、自国に戻ってくる場合ですら、実家や親戚を頼らずに、自力で住まいを借りようとするとなかなか難しいものがあるようです。

身内や友人などがいれば、協力してもらえるかもしれませんが、全く知らない土地で、知り合いもいない場合は、どこの国でも大変でしょう。

会社や学校、現地のサポートなどが受けれれば大丈夫と思いますが、知らない国での最初の住所を自力で確保するのは、最初の大きなハードルになります。

仕事で赴任の場合

スイスに仕事で赴任する人の場合は、会社がサポートしてくれるケースも多いようなので、就労ビザの手配から住居の確保まで、スムーズに行く場合が多いようです。

特に前任者がいる場合は、そのままアパートを引き継いだりできるので、非常に楽です。

気に入らなければ、その後に自分で探すこともできます。

その辺は、会社の規定にもよることなので、なんとも言えませんが、前任者からそのまま家具ごと引き継ぐのは、海外赴任される方にはベストな選択肢です。

家族連れの場合

単身赴任であれば、多少の不便があっても、とりあえず寝る場所があればなんとかなります。

しかし、家族帯同の赴任の場合は、子供の学校のことや周囲の環境なども視野に入れて探す事になりますので、大変さは増すかもしれません。

子供の騒音を嫌がる人もいるので、静かなエリアより、あえて幼稚園の近くやインターナショナルスクールの近くにして、似たような家族がいる環境を選ぶのもありかなと思います。

特にインターナショナルスクールの周辺には、そうした家族も多いので、日本出身でなくても、お互い海外赴任組として情報交換や繋がりができるケースも多いようです。

確かにインターナショナルスクールエリアには、そういった集合住宅が見られることが多いです。

雰囲気もオープンで、スイス人が多い住宅街とは少し違う雰囲気がありますので、外国人も馴染みやすそうな環境と言えるかもしれません。

もちろん、スイス人家族も普通に住んでいます。

スイスの賃貸住宅は洗濯機が共同

スイスのアパートの場合、洗濯機が住人と共同での使用になることがほとんどで、日本の人は最初抵抗があるかもしれませんが、バスルームに設置ができない場合や禁止されている場合もあるので、仕方ありません。

しかし、インターナショナルスクール近辺の住宅街は、洗濯乾燥機が部屋に完備されているケースも多いので、海外から来る家族用に完備しているようです。

いわゆるスイスの住宅にありがちな共同スペースのルールになかなか馴染めなかったり、共同で洗濯機を使用する事に抵抗があったりしますので、少し考慮されているのかなと思います。

職場から遠い郊外の家

安ければどこでも良いと、職場からはるか遠くの郊外の村に家を借りると、当然ながら交通の便が悪くなったりして不便です。

市内と同じ価格で、一軒家が借りられたりすることもありますが、いわゆる田舎の場合はその地域に馴染むことが非常に難しく、スイス人ですら馴染めずに引っ越してしまうようなケースも結構聞きますので、お勧めはできません。

ある程度地域を知った上で、一軒家を購入するとかであれば、また話は変わってきますが、数年の赴任で田舎の不便な生活は、本人も家族も大変になります。

ただ、地元に馴染んだ上に、すっかり受け入れられて、気に入ってしまったということもないとは言えませんが、稀でしょう。

相互監視社会のスイス

良い意味でも悪い意味でも、スイスは独特の相互監視社会になっています。

近所の人間が、普段どんな時間帯にどんな行動をしているのかを特にご高齢の住人はよく見ています。

正直、街の人間からすると嫌なのですが、これが防犯の意味もなすことがあり、不審者や空き巣の情報はすぐに広まります。

実際に、隣の建物に住む女性に、ある日声をかけられて、「昨夜、不審者がうちの庭に現れたから、あなたのうちの庭も気をつけた方がいいですよ。」と教えてくれました。

普段見かけない人が、私有地にいればそれはおかしいと思いますし、周辺の家にも注意を促してくれるのは、大変助かります。

ですので、隣の家におかしなことが起こっていればすぐに教えてくれたり、助けてくれたりというのはあります。

それも、普段からの挨拶や世間話などで警戒を解き、いかにコミニケーションが大事か気づかされます。

自分も最初の頃は、近所の高齢のスイス人ご夫妻などには、じろじろと見られていたのだろうと思いますが、今では立ち止まって世間話をするようになっていますので、怪しまれてはいないだろうと思います。

ただし、あまりプライベートなことをペラペラ話すと、あっという間に地域の人たちが自分の家族情報を知っているという事にもなりますので、ほどほどに話した方が良さそうです。

本当にびっくりするくらい近所の住人のことを知っていたりするので、お喋りな人には注意は必要ですが、適度なコミニケーションと挨拶で十分かなと思います。