夏の日本一時帰国

コロナ入国規制も緩和の方向になり

この夏は家族で日本へ一時帰国という方も多いと思います。世界的にもまだ厳しい日本のコロナ対策ですが、徐々に緩和をしてきています。6月からは、外国からの入国者数を引き上げます。

自身もこの夏に帰国を予定していますが、日本では色々とやることも多いので、予定をそろそろ組んでおくべきかと思い調整中ですが、先ずは失効してしまった運転免許証の更新です。コロナ特例で、執行から3年の猶予が与えられているので、今回は特別に更新が可能です。日本の家族にも調べてもらったりして、詳細条件を集め準備しているところです。この日本の運転免許証の更新は実に厄介で、ゴールドなら5年更新ですが、各国の大使館では管轄も違い国外ではできない事務手続きです。視力検査や講習も受けなければならないので、自分の実家や一時滞在先として登録してある住所のある自治体での更新となります。

在外邦人の場合は、パスポートの出入国のスタンプを見せれば良いのですが、今回パスポート自体が切れてしまっているため、果たして証明として有効なのかは不安なため、念のため、他に証明できるものを用意してくださいと言われました。となると、在留証明書しかないということになります。この証明については、あらかじめプリントアウトした書類に記入をして、現住所を証明できる、3ヶ月以内の電気代などの請求書を持参して発行してもらいます。ちなみにJRパス購入の際にもこの在留証明書が必要になるので、既に取得した人も多いのではと思います。

健康診断も申し込むが、、、

スイスでは、あまり医者にかからないのですが、それでもこのコロナパンデミックが始まってから、入院を経験するなど、年齢と共に体のメンテナンスも大事になってきました。毎回一時帰国の際には、健康診断を日本でもしています。スイスの医者を信用していないわけではないのですが、欧州基準の医師の判断で、見逃される病気や日本人がかかりやすい病気の特徴や傾向などが違うため、日本の医師の意見も欲しいというのが検査を受ける理由です。特に心配なことはないのですが、やはり思わぬところで、病気の早期発見になるかも知れないので、帰国に合わせていつも健康診断は申し込んでいます。

しかし今回は、健康診断の申し込みがなかなか通らず、しばらくしてきたメールの返信でようやく受理された印象です。というのも、コロナ禍の一時帰国で健康診断や人間ドックを断られてしまったという話を聞いていたので、迷っているのかも知れないという気はしていました。今ではワクチンも3回接種済みの人は待機期間なしで入国していますから、大丈夫とは思っていたのですが、実際に返信メールに書いてあった内容を読む限り、かなり警戒している様子でした。

まず、いつもやりとりをしているして頂いている担当の方は、医師と相談して、特別枠を設けて受診を許可しますと書いてありました。そして、帰国後何日経っているか不明ですが、体調が悪ければすぐに連絡をすること。そして、日本における状況において、健康診断の延期もありうることなどが、遠回しに書いてありました。

欧州からのコロナウィルスの変異株を警戒しているのは間違いなさそうです。

理解はできますが、日本に住んでいる人はほとんど検査もせず、「みなし陽性」の人も多かった状態です。法的にロックダウンも無理で飲食店も営業はしていました。日本に一時帰国した人も、日本は入国審査だけ異常に厳しい割に、国内は野放しということでした。日本にいる友人も県を跨ぐ移動もほとんど制限されず、皆動いているどころか、海外出張から戻ったビジネスマンは、自主待機期間を無視して、帰国翌日から出勤しているなど、かなりいい加減な状態だったようです。

逆に海外から帰国をする人には、搭乗前のPCR検査を義務化し、入国後も検査。そして、指定されたホテルので待機をし厚生労働省からの待機確認の通話義務など、昨年は本当に厳しい状態でした。そんな状況下の人間と日本国内で、体調が悪くても検査もせず、好き勝手に動き回っている人と、どちらが危険なのか? 説明するまでもないと思います。

とにかく、健康診断を受けつけてくれたクリニックには感謝していますが、やはりスイスや欧州とは違った環境なのだと、帰国する前から感じています。屋外でのマスク着用も議論されているようですが、そもそも義務ではなく、自主的にマスクをしていた日本人です。それはそれで良いことですが、今は感染よりも他人の目が気になるようです。

地方では他府県のナンバーの車がいるだけでクレームが

日本政府が県を跨ぐ移動制限をお願いしていた期間に他府県ナンバーの車が壊されたりして問題になったことがあります。ある地方での話ですが、ちょうどその時期に、隣の県から実家に戻っていた子供夫婦の車を見た近所の人が、クレームを言いにきたそうです。その理由を聞くと、「私の家は他県に住む子供たちには来ないようにお願いしているのに、あなたの家だけ勝手なことしている。」ということでした。

感染拡大を防ぐために長距離移動をしないという概念ではなく、他人の目が気になるだけの田舎のメンタリティーがクレームの理由でした。

隣の県といっても、たかが20分ほどの距離です。馬鹿馬鹿しい話だと思いましたが、実際に、在外邦人が東京に帰国しても地方にある実家には行けなかったという話は多く聞きました。田舎の人は、隣の県から来た人も気になるのに、海外から子供が帰ってきたなんてことがわかれば、大騒ぎになります。さすがに今はそんな状況ではないようですが、社会を分断してしまったコロナパンデミックではあります。

夏に向け、入国者数が増える予想をしている日本は、コロナ感染率をもとにグループ分けをして、ワクチン接種証明と共に待機なしか有りかを分ける基準に変えるそうですが、肝心のそのグループがまだ発表されていません。外国籍の人には、まだまだハードルが高い日本への入国です。