福島原発とチェルノブイリ原発(3.11)

東日本大震災から11年

3月11日が来るたびに、ネット上では関連の記事や動画を目にします。地震の瞬間の映像、津波の映像、そして、福島原発の爆発する映像。その映像が今日は、チェルノブイリ原発が攻撃されている数日前の映像に取って代わられている気がします。

地震や津波と戦争とでは、要因の違いはあるものの、どちらも放射線の危険性があることには変わりないでしょう。人間の作ったものです。戦争を起こすのも人間。その意味で、この世で一番怖いのは人間なのかもしれませんが、それと戦うのも人間です。

核の脅威という全世界が抱える問題が、欧州をはじめとする世の中を不安にさせています。

コロナウィルスに翻弄された2年後、戦争という由々しき自体が発生し、これを発端に世界経済が崩れていく様子を見せられている気がします。経済危機は過去にも何度かありましたが、いまはウィルスと核の脅威の下で、立て直していかなければなりません。それは、ウクライナやロシアにとどまりません。

自動車を買いに走るロシアの人

今ロシアでは、ルーブルが暴落しつつあり、紙くず同然になる前に、車や不動産といった「もの」に換金している人々が多いそうです。特に車を購入しておけば、移動もできるし、他国へ行って売ることも可能です。現金を持つことは危険という状態のロシアでは、他国からの制裁のリミットも迫りつつあり、すでに販売を停止した企業も多くあります。この状況下で、1日に30台以上売れた車のディーラーもあるそうです。

スイスの置かれた立場は

各国がロシアに対して経済制裁を科す中、スイスは少し出遅れた形でEUに追随することを発表しました。永世中立という立場で、どこまでの制裁が可能なのか、どうするのが正解なのかはわかりませんが、国際送金のSWIFTの廃止もEUに同調しました。

ウクライナへの寄付と難民救済

スイスができることの一つに、献金があります。東日本大震災の時も多くのスイス人が寄付をしてくださり、過去最高額の寄付金が集まりました。街頭での募金活動も盛んに行われました。

すでに寄付された方も多いと思いますが、当初はウクライナの人に衣類をたくさん集めて送っていたのが、すでに十分足りているということで、食料や衣料品などのものが欲しいということになりました。しかし、それを届けるのもポーランドなどの国境付近までいかなければなりませんし大変です。実際、お金を送れば、避難して来る人たちの近くで必要なものを買えるということで、送金が一番有効のようです。あとは寝る場所の提供。

避難民が宿泊できるよう、自宅1室を提供する人もいますが、こうした状況を利用した犯罪行為も残念ながら起きているそうです。ベルリンでは、宿を提供する代わりに、その家の男性と同じベッドで寝ることになった若い女性の被害も報告されています。無償で自宅の部屋を貸すボランティアの人も多いのですが、そうしたトラブルや性被害にあう方もいると知り、警戒を強めているそうです。

難民を迎えに行くが、半分空で戻るバス

ウクライナからの避難民を受け入れようと、スイスからバスを走らせた団体もいますが、実際には故郷からあまり遠く離れたくないという理由で断った人が多いそうです。できる限り国境付近にとどまり、まだ避難できていない家族の近くにいたいという人が多いようで、スイスはさらに遠いというのが理由のようです。確かに、家族がまだウクライナ国内にいれば当然のことかもしれません。今後どれくらい戦争が長引くかにもよりますが、スイスはウクライナの戦争難民を5−6万人受け入れる準備をするそうです。それには、1年間有効の就労も可能なビザが発行されるようで、子供も現地の学校へ通うことができます。

戦争が終結すれば、難民の方はウクライナへ戻ると思いますが、破壊された街で復興を遂げるまでは長くなると思います。戦争は何も生み出さないことがよくわかります。

ウクライナ戦争の早期終結を願いたいと思います。