個人宅でのウクライナ戦争難民受け入れ

スイスでもウクライナの家族を受け入れ始まる

祖国ウクライナから遠いという理由で、スイスは避難国としては、どうしても敬遠されてしまうと報道されていましたが、親戚や何かしらのツテがスイスにある人も多く、受け入れをしている一般家庭の人もいます。自分の住む地域でも、ウクライナ避難民の母親と娘さん2人の受け入れをした家庭があります。彼らを受け入れた家庭でも、同じ年頃の娘さんがいるということです。ウクライナのお子さんはまだスイスにきたばかりで、受け入れ家族の娘さんとはまだ少し距離があるようです。当然でしょう。おそらく、同じ年頃の女の子同士ですぐに仲良くなると想像していたようですが、やはり心に負った傷は深く、何不自由なく育ってきたスイスの女の子とは環境が違います。

もちろん、徐々に心を開いて、お互い馴染んできているようですが、こうした受け入れを積極的にするスイスの家族の方々には頭が下がります。自分の家庭にも子供がいて大変なのにその上ウクライナからの難民家族を受け入れるということは、なかなかできないと思います。

TVでウクライナの人々を見て、スイス人が思ったこと

欧州では、これまでも中東の戦争やアフリカからの難民問題など、かなり多くの報道がされてきました。実際に近所にある難民施設では、シリアやアフリカからの難民が到着し、生活に馴染んでいく様子を見てきましたし、幼稚園にも難民の子供がいた時期があります。

ロシアのウクライナ侵攻が始まり、TVに映る避難する人々を見て、スイス人の感情はこれまでとは違うようです。

これまで、難民といえば、シリアやアフリカの難民が多数を占めていました。難民のイメージとして焼き付いているのは、ほんの数週間前までは、まさしく彼らです。

しかし、今回の戦争で避難を強いられているのは、自分たち(スイス人)と同じ格好をした、見た目も同じ白人です。多くのスイスの人々が、そのことに衝撃を受けたと話しています。

正直、見た目が違うだけで、自分たちと同じ白人というだけで、こんなにも感情が揺さぶられるのかと、恥じたというスイス人もいます。確かにそうかもしれません。それまで、肌の色で人を見てきたということです。実際、同じ白人だから、人ごととは思えず、自分の家でも受け入れたいという気持ちになった人もいるようです。

同じ難民でも、シリアやアフリカの難民に対しては、そこまでの気持ちにはならなかったということです。スイス人自身が、その感情の変化にショックを受けているような感じがします。

寄付するスイス人は多い

それでも、人を助けたいという気持ちは、スイス国内の寄付金の多さにも表れています。2011年の東日本大震災の時も、ものすごく多くの義援金が集まりました。今回のウクライナ危機では、それに次ぐ額になってきているようです。

特に裕福でない家庭でも、寄付をするという習慣がスイス人にはついているようです。日本の一般的な家庭に比べたら積極的にそうした寄付をしていると思います。

ロシア国内の状況も危機的な状況になりつつある

ウクライナからの避難民の様子はたくさん報道されていますが、ロシア国内の様子はあまり映りません。ネットで探せば、現地の様子を配信している人もいますが、いまロシア国内がどういう状況なのか、TVだけでは伝わってきません。

EUや西側諸国からの経済制裁で、商品の販売を中止している企業も多く、ロシア人の生活にも影響が出ているほか、通貨ルーブルの価値が急激に下がってきています。紙くず同然とまではいかないかもしれませんが、SWIFTの停止もあり、他国との送金のやり取りをしていた企業や個人は大変な状況です。

そして、インフレ状態になり、毎日物価が上がっているそうです。この状態がいつまでも続くとは思えませんし、早急に戦争が終わることを祈るしかありません。報道されていないレベルでの水面下の動きは必ずあると思います。我々のような欧州に在住する日本人も人ごとではなくなっているので心配ですが、この戦争が解決に導かれることを望みます。