オーストリアでコロナワクチン接種義務化/EU初

18歳以上の人に対し義務化を下院で可決

先月1月20日に可決された、コロンワクチン接種義務化が昨日土曜日から導入されました。EU圏内では初めての義務化です。

未接種者は、3月14日まで猶予があるということですが、違反者は600ユーロから3600ユーロの罰金が課せられます。

接種期限を過ぎたら、抜き打ち検査もあります。

病気の治療や健康上の理由で理由でワクチン接種が出来ない人、妊娠中の人、180日以内のコロナウィルスの感染者は免除されます。

若者に反対の声が根強い

オーストリア政府は、ロックダウンを避けて、経済を回すために必要な措置としていますが、ワクチン接種率もEUの平均を超えているにも関わらず、厳しい措置を決めました。それには若者の接種拒否が強く、社会の中で動きも多く人との接触も多い世代が接種していないことを懸念してのことのようです。

オミクロン株が、基礎疾患がない場合は軽症で済み、感染サイクルも早いことから、そこまでする必要があるのかと反発も強いです。確かに、コロナワクチンを巡っては、欧州だけでなく、北米でも反対のデモなどが起きています。

最近こうしたデモが少々曲者で、コロナワクチン反対を掲げてデモを起こしますが、本当の目的は別のところにあったりするデモグループもあるようです。コロナワクチン反対を口実に、全く異なるイデオロギーの主張やメンバーの募集、反政府の立場を利用しての勧誘など、社会に不満がある人たちを取り込もうとしているグループがあるそうです。

こうした兆候は、コロナと関係なく、社会や経済不安の状態で起きやすいのですが、現在は世界中がコロナに振り回されて2年経ち、その鬱憤が蓄積しているのは間違いないでしょう。政府がどんな対応をしても、反対派は出てきますので、逆に口実を与えてしまっているのではないかと思います。

ここスイスでも、一定数反対派はいますので、似たようなものでしょうか。経済を動かし、社会生活を通常に戻したいと考えるのはどこも同じですが、その過程において各国の違いが出てきています。お隣ドイツも度々ワクチン接種義務化のテーマが出ますが、なかなか踏み切れません。

今回のオーストリアのコロナワクチン接種義務化が、周辺国にどのような影響をもたらすのか、注目されています。