インフルエンザ治療薬のタミフルは効果が下がっている?スイスではタミフルを服用したのにもかかわらず、8人に1人の割合で発症しているとスイス政府が発表した。欧州全体で見れば5人に1人の割合で発症となっている。ただし、インフルエンザ発症後、48時間以内に服用し始めなければ効果は見込めない。

 それでもスイスは全国民分のタミフルを確保している。日本ではタミフル服用後の異常行動などが相次いで確認され、死亡例も確認されたことから、処方には慎重になっている。特に10代の若年層において、多くの異常行動が確認されているが、タミフルを服用しなかった患者と比べ、異常行動のリスクが若干低くなっているとの結果も出ている。

 また、タミフルは鳥インフルエンザ(H5N1型)にも効果があるとし、既にアジアを中心に広まりつつある、鳥から人に感染するウィルスにも有効とされる。

 このH5N1型ウィルスは、インドネシアで発症が確認されたが、最初の封じ込めに失敗し、アジア各地で広まってしまった。普通のインフルエンザと違い、致死率が6割近くと非常に高く、危険なウィルスである。ちなみにインドネシアでは人の発症者が106人に対して、死亡者が108人となっている。

 スイスや日本においても、家きん類における発生は確認されているが、発症者はまだ確認されていない。既に発症者も確認されているが、懸念されるのは先日大地震のあった中国と、サイクロンの被害があったミャンマーの地域。被害の大きかった中国南部とミャンマーも比較的近く、この地域での流行が始まると、大惨事になるのではと心配されている。

 これに対し、日本ではその対応をまだ決めかねており、スイスのように治療薬の確保もまだ十分出来ていないのが実情だ。