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2011年連邦議会議員選挙結果概況

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★ jp-Swiss-journal – Vol. 131 – November 30, 2011 (Swiss Time)

☆ http://www.swissjapanwatcher.ch/
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【 目次 / INDEX / INHALTSVERZEICHNIS 】

【J】 2011年連邦議会議員選挙結果概況      明子 ヒューリマン
   
【E】 Results of the parliament elections 2011 Akiko Huerlimann
   by overview

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     2011年連邦議会議員選挙結果概況

     明子 ヒューリマン

連邦議会議員 *1) の選挙結果 *2) は正に事前報道の予想通りとなり、報道機関は胸を張った。2008年11月に結党した国民民主党 *3) と2007年に国民議会に初めて代表を送り出したグリーン・リヴェラル *4) の新興勢力が伝統政党の票を奪って大きく議席を増やしたのだ。やはり原発問題が勝敗の行方を左右したと報じられたが、国民感情としては納得出来る。

10月24日23:35時点の「国民議会(下院)」200議席の改選議席は、左派から右派の順に緑の党(Green)が5議席減らして15議席、社会民主党(SP)が2議席増やして45議席、グリーン・リヴェラルが9議席増やして12議席、キリスト教民主党(CVP)が3議席減らして28議席、自由民主党(FDP) *5)が5議席減らして30議席、国民民主党(BDP)が9議席増やして9議席、スイス国民党(SVP) *6) が8議席減らして54議席、その他が1議席増えて7議席で、投票率は49.8%とまずまず。

SVPの勢いにも陰りが見え、特にクリストフ・ブロッハー氏はSVPの中で最高得票を得られなかったことから、影響力の低下が指摘された。FDPは14.7%と歴史的な低得票数となった。特にフルヴィオ・ペッリ党首の再選が幾度も危ぶまれ、深夜になってかろうじて当選が確定したという経過も注目を集めた。CVP *7) も伸び悩み、緑の党 *8) も全州議会に代表を送れるほどの支持は得られなかった。SP *9) は2議席増やしたものの、得票率は1.9%減ったので楽観は出来ない結果だった!政党の勢力図はやや右側に傾いたようだが、全体としては依然左派政党が右派政党を幾分上回る力を維持した。

一方狭き門の「全州議会議員(上院)」の選挙結果は、10月24日の発表当日に当選したのは46議席のうちの27議席のみ。未だ当選者が確定していないカントンが13もあって、19名の2回目の投票が11月6日のカントン・ヴァリスを皮切りに12月4日のカントン・ゾロトゥーンまで各カントンで五月雨式に行われる。1回目で当選したスターは、カントン・アールガウSPのパスカーレ・ブルーダラー議員 *10)。 30代の若さで国民議会議長を難なく務めた才色兼備のスポーツウーマンで妊娠中に選挙戦を戦った。もう1人はザンクトガレンFDPのカントン財務担当責任者のカリン・ケラー=スッター女史 *11) で、こちらも才色兼備。現党首フラヴィオ・ペッリ議員の理想的な後継者と取り沙汰されている。

国民議会議員と全州議会議員には二股かけて立候補出来る事から、国民議会議員の当選が確定するのも長丁場になる。二股かける議員は政党にとって選挙戦略上不利になるので、余程の実力者で無ければ許される事では無い。ところが、11月20日のベルンの2回目の全州議会議員選挙は驚きの結果となった。有力候補だったSVPのアドゥリアン・アムストゥッツ全州議会議員がまさかの落選で、国民議会議員に収まる事になった。SVPの政策キャンペーンに過激な印象を持つ国民が76%もいたというターゲス・アンツァイガー紙のオンライン調査結果があった。予想外の貴重な議席を射止めたのは元ビール/ビエンヌ市長でSPのハンス・シュトェックリ国民議会議員だった。SVPから再びSPの議席を奪い返したのだ。もう1人はBDPのヴェルナー・ルーギンビュール全州議会議員で議席を維持した。

BDPのエヴェリン・ヴィドゥマー=シュルムプフ連邦評議員の再選の行方が何かと注目されるのは、4年前の選挙で保守のブロッハー元連邦評議員の再選阻止で結束した中道と革新連合に推されて連邦評議員に当選したという因縁からだ。今回この連合体が再び同じ共同戦線を張れるのか、様々な駆け引きが取り沙汰された。選挙結果は、ヴィドゥマー=シュルムプフ連邦評議員の母党BDPが大いに躍進した。彼女の為にSVPを追い出された支持者達で結党されたのだが、それはヴィドゥマー=シュルムプフ連邦評議員の政治的手腕が高く評価されての躍進でもあったと思う。勤勉で地道な実務型で、当初の法務であれ、現在の財務であれ、山積する問題を着実に片付け、他国との交渉でも手堅い交渉をしてきた実力に対する国民の評価は高い。常に好奇な視線にさらされ、センセーショナルな報道にも動じずにポーカーフェイスで職務を全うしてきた姿勢には敬服する。彼女を担ぎ出した諸政党の選挙結果が思わしくなく、SPのレブラ党首はBDPのグルンダー党首にヴィドゥマー=シュルンムプフ連邦評議員の再選に協力する見返りに連携を持ちかけたのだが、グルンダー党首はそもそも保守系の政治家なので、左派との連携はあり得ないと断った。

そして今年の連邦議会議員選挙の山場とも言える11月27日には、7人の全州議会議員の2回目の選挙が行われた。1回目の選挙で獲得票が過半数に達しなかったツューリッヒ、ルツェルン、ウーリ、シュヴィーツ、ザンクトガレン、アールガウの全州議会議員8議席の2回目の選挙結果が判明して、12月4日に予定されているカントン・ゾロトゥーンの1議席を残して、全州議会議員の新たな陣容が決まった。最も注目されたのは、保守のスイス国民党(SVP)が党の戦略担当のブロッハー氏やブルンナー党首等主要な候補者が議席を獲得出来ず、全州議会46議席中2議席減らして5議席に留まった事だ。今回の選挙結果を元に、12月14日の連邦評議員選挙に向けた戦いは一段と激しさを増す気配だ。

【 参照 】

*1) スイス連邦議会:http://www.parlament.ch/d/Seiten/default.aspx
*2) 2011年連邦議会選挙: http://www.parlamentswahlen-2011.ch/
*3) 国民民主党: http://www.bdp.info/
*4) グリーン・リヴェラル (glp):
http://www.grunliberale.ch/index.htm
*5) 自由民主党: http://www.fdp.ch/aus-liebe-zur-schweiz.html
*6) スイス国民党: http://www.svp.ch/
*7) キリスト教民主党: http://www.cvp.ch/
*8) スイス緑の党: http://www.gruene.ch/
*9) 社会民主党: http://www.sp-ps.ch/
*10) パスカーレ・ブルーダラー:
http://wahlen.sp-ps.ch/kandidierende/kandidetails/pascale-bruderer/
http://www.parlament.ch/d/suche/seiten/biografie.aspx?biografie_id=823
*11) カリン・ケラー=スッター: http://www.karin-keller-sutter.ch/

【 編集後記 】

予想外の保守の地滑り現象が始まったかに見えるスイスの政局ではあるが、革新政党にしても長年安定を享受してきた政党は、国民の厳しい評価を受ける事態になった。その間隙を縫うように中道の弱小政党が存在感を増し、議会のキャスティング・ヴォートを握る勢いで連邦政府の中枢の一角を押さえている。次号は連邦評議員選挙の結果と共に新しいスイス政界の事情を概観しようと思う。

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