11月28日に行なわれた国民投票の結果は、外国人犯罪者の国外追放を強化する案は承認された。一方、富裕層の税率をスイス全土で一律にする提案は、否決となった。

 外国人犯罪者の国外追放強化案については、昨年の国民投票であった、新たなミナレットの建設を禁止するという案も承認され、対外的にはスイスはいっそう保守的なイメージが強まった。しかしながら、国内の外国人犯罪増加は、やはり国民が不安に感じている問題であることも色濃く出た結果のように思う。ドイツ語圏では、バーゼルシュタットが否決で、フランス語圏では、多くのカントンが否決という結果になった。中央スイス及び東スイスは、大差で可決となった。

 富裕層の税率一律化の案については、各カントンで異なる税率を統一したい考えのSPやPSは積極的に投票前のキャンペーンを行なったが、近年の外国の大手企業誘致、税収のアップなどで、財政を賄うカントンに押され、否決された。
税率が一律になれば、スイス人富裕層や大手の外国企業、外国人富裕層等がスイスを出て行ってしまう事は、容易に予想され、カントンレベルではなく、スイス全体に影響が出る懸念も示されていた。
ただし、カントン間での税率の差を出来る限り無くす取り組みは続けられる。

SwissWonderNet