年金増額案に賛成したスイス人
3日の国民投票では、投票前の調査で否決される見込みだった年金の増額案に、多くのスイス人が賛成したという結果が出ました。
これには、周囲のスイス人も少し驚いたようですが、年齢が高ければ高い人ほど賛成に票を投じたようです。まもなく年金をもらう予定の人は当然賛成のようです。
しかし、現在の年金生活者は、十分な額をもらっているという人がほとんどで、やはり目先のお金に目が眩んだか、と若い世代はがっかりしたようです。
つまり子供や孫の世代にツケを回してでも、たくさんお金が欲しいということです。
その逆で、定年の引き上げについては、否決され、長くは働きたくないが、お金はもっと欲しいということです。
これまで、割と冷静な判断をしてきたスイスの国民投票ですが、今回はびっくりというよりもがっかりした人が多いようです。
過去には、ミナレットの新規の建築を禁ずる法律を可決し周辺国からも驚かれたスイスですが、今回は自国内の話です。
どこの国も、将来年金が足りなくなるのは同じです。少子化で子供が減っているので、仕方ありません。
問題はその財源をどこから持ってくるのかということで、単純に考えて次世代の負担となるでしょう。
税や保険料もまだ上がる可能性はありますし、20代の人たちは、自分が年金をもらう年齢にはもう破綻しているのでは?と思っている人も多いようです。
世界情勢も含め、スイスでも将来的な不安はなくなりそうにありません。