犬の飼い主のマナー

リードを使用するエリア

スイスでは、各地域で犬の飼い方の規則がありますが、大体は同じです。

今の時期ですと、森から50mエリアでは、散歩中の犬はリードをつながなければなりません。

それは、森の中で鹿などの動物が赤ちゃんを出産していて、毎年それを襲ってしまう犬もいるからです。

飼い主が突き止められた場合は、罰金が課せられます。

リードにつなぐ義務は、8月頃までの地域が多く、その後は自己責任という感じになっています。

リード使用が義務の時期は、警察が見回りますので、見つかると100フラン程度の罰金となります。

ルール無視の飼い主

実際に遭遇したことですが、森に入り込んだ犬が、匂いを嗅ぎまわり、数分後、森から飛び出してきたのは、親鹿2頭。

子供を守るために、わざと犬を引き付けて、森の外へ危険を冒しながらも出てきました。普通は夜か明け方しか森から出てきません。

そして、森からずっと離れた場所に走って行き草むらに身を潜めていました。

その間に、犬の飼い主が犬を確保し、リードにつなぎました。

その飼い主は、予期せぬ愛犬の行動に反省をしていましたが、そんな人ばかりではありません。

全くルール無視の人もたくさんいて、リードを使用しないケースが多いです。

森の中でも、散歩中にリード無しの犬に、我が家の犬が襲われたこともありますし、車がたくさん走っている道路の横でも、リードをつけない人はいます。

自分の犬はしつけができているから大丈夫という過信で、周りに迷惑をかけていることに気がつきません。

注意をすれば、反論してくるので、困ったものです。

確かに、他の犬よりもしつけはできているかもしれませんが、命令に従わず、我慢できずに道路に飛び出したり、他の犬に飛びかかったりする犬も実際見ています。

どんなにしつけをしていても、何かしらのきっかけで、暴走する可能性はあります。

これまで何頭も犬を飼育してきたと自慢する人もいますが、犬によっても性格が違うし、絶対はあり得ません。

リードなし散歩のもう一つの問題

リード無しで散歩する飼い主のもう一つの問題は、犬の糞の始末です。

このタイプの飼い主は、ほとんどが先を歩いているため、匂いを嗅いで寄り道をしている犬の行動を見ていません。

その間に、犬が糞をする事もありますが、それも見ていないため、処理をしません。

スイスには、あちこちに犬専用のゴミ袋とゴミ箱があります。これらは、飼い主が毎年払う、犬税で賄われています。

他の国に比べても、道路は綺麗な方だと思いますが、それでも、芝生や草むらにはよく犬の糞があります。

リード無しでの散歩はいいのですが、自分の犬の行動もちゃんと見て責任を持ってほしいと思います。

何か事故でもあれば、全ての犬の飼い主が同じ目で見られますし、いい迷惑です。

そもそも、愛犬が全く糞をしないとでも思っているわけではないでしょう。

散歩中にどこかでしているのは、飼い主も分かっているはずですが、見ていないので、知らないことにしているようです。

このように、リードも犬の糞の始末も飼い主の責任です。

その反面、猫は自由に歩き回り、どこかで糞をしてしまいますが、これを咎める人はあまりいません。

猫の糞を犬の糞と勘違いして、犬の飼い主に怒っている人もたまにいますが、これはまた別の問題でしょう。

公共の場も電車やバスも乗車できるスイス。動物に優しい国ではありますが、色々と問題もあるのが現実です。