地元の中学校にもウクライナからの生徒が約30人

ウクライナからの難民を受け入れるスイス

ロシア軍のウクライナ侵攻が始まってから1ヶ月。スイスへ来たウクライナ難民の数は、2万人を超えます。スイスの各地域に散らばっていますが、戦況が長引けば、この数も増えていくでしょう。
そんな切迫する状況を、最近は身近でも感じるようになり、公園で遊ぶ親子の中には、おそらくウクライナの方と思われる家族もいました。
スイス人は、小さな地元のエリアであれば、普段見かけない人は大体わかるようです。

中学校にもウクライナの生徒が

こうした状況になりつつあり、現在地元の中学校では、ウクライナの生徒が約30人いるそうです。スイスの中学校には、元々外国語を母国語とする生徒たちの特別クラスがありますが、どうやらそちらのクラスを増設して授業が行われているそうです。外国人クラスを受け持つ先生方も、出身が外国の方が多いので、おそらくウクライナ出身で既にスイスに住んでいる人を募り、授業を行っているようです。
スイス人の生徒たちも、知らないうちにそんなに増えていたとは、気がつかなかったようです。それは、スイス人と比べても、見た目の違いがあまりないからということも影響しているようで、違和感なくスイスの学校に溶け込んで見えるということです。
もちろん、溶け込んで見えるだけで、彼らの心の中は、一刻も早く母国ウクライナに帰りたい人がほとんどでしょう。

特例ビザの発給

スイス政府が特例ビザを出しているように、難民の中ではかなり優遇されていると感じる人もいるようです。アフリカや中東からの難民も戦争難民ですが、ここまでの優遇はなかったと話す人も。特例ビザは、特殊技能を持つ人などが、仕事に就けるようになっていたり、若い人なら、スイスで新たな可能性を見つけて将来永住する人もいるかもしれません。戦争が終わっても、街が復興を果たすまでには時間がかかります。
こうして、やはり同じヨーロッパで起きている事態に、スイス人の多くが大きなショックを受けているのが伺えます。そのことが、他人事とは思えず、ウクライナの難民を一般の家庭で受け入れるという行動に繋がっているのだと思います。まさに明日は我が身、自分の住むスイスの街もこうなりかねないという危機感が募ります。

欧州が直面している危機は、西側諸国も他人事ではなく、今後戦争が終わってもしばらく続くと思われます。エネルギー確保の問題やロシアが直面するであろう経済的な危機。ウクライナの復興。戦争で生み出されるものは、何もない気がします。