ティチーノ州を訪れて

イタリア語圏のスイス

 スイス人のリビエラ、ティチーノ州は、今年は新型コロナウィルスの影響でかなりの感染患者、死者が出ました。現在はおさまってはいますが、イタリアから越境で入ってくる労働者も多く、国境を接するカントンとしては、一番深刻な状況だったところです。
 滞在したのは、ルガーノから山へ20分ほど登った標高800mの小さな集落です。古い40-50年前の3階建ての家でしたが、非常に趣がありいいところでした。標高が高いので、ルガーノ湖ともう一つの湖も見下ろせて、景色は素晴らしかったです。
 ただ、難点もあり、道が狭くて急な坂が多く、運転には非常に気をつけました。地元の人は、慣れているので、あんなに狭い坂道でも平気で追い越して行きます。もっとすごいのは、バスや大型トラックも走り抜けて行きます。もちろん、1台分のスペースしかない道路ですので、すれ違うのは無理です。自身も何度もバックしなければいけない状況がありました。事故も多いのだろうなと思います。

良い景色を求め、展望台までハイキング

 知人のお勧めで、San Salvatore という山に登りました。ケーブルカーでも登れますが、1時間もかからないので歩きで行きましたが、途中かなりの勾配で体力不足を痛感。しかし、思ったよりも早く頂上に着くことができて、展望台から見る景色は、気持ちよかったです。

イタリアの飛び地、カンピョーネ・ディターリア

展望台からも見えるこの付近には、一部イタリア領土があります。カンピョーネ・ディターリアという街は、スイス国内にありながら、イタリア、ロンバルディア州に属するイタリア領土です。いわゆる飛び地ですが、街の中はほぼスイスと同様のサービスを受けられ、スイスフランの使用、車や電話番号、郵便番号もスイスの番号を使用しています。ただ市役所内では、イタリアの電話回線もあるようです。これも欧州ならではの特殊な環境です。

小さなスイスでもまだ見ていない土地がたくさんある

 今夏は、コロナウィルスの影響で、国外休暇をキャンセルしスイス国内での休暇に切り替えた人が多いでしょう。スイス国内にもまだまだ知らない秘境の地がたくさんあるものだなと思いました。多言語ならではの異文化に、同じ国にいながら触れる機会があるのは、スイスらしいと言えるでしょう。
 長期休暇でなくても、週末などを使って、まだ知らないスイスのいいところを開拓してもいいなと思わせてくれた旅行でした。