1月27日、中国の温家宝首相がスイスの首都ベルンを訪問した。ベルンでは異例の厳重警備のもと、道路の封鎖も行われている。その理由は、10年前のチベット独立を訴える団体のデモ活動にあるが、今回は窓も開けてはいけない、バルコニーから見物する事も禁止されているようだ。当時の江沢民首相は、チベットのデモ活動を抑えられなかったスイス政府に対し、「あなた方は友人を1人失った」といった。

 昨年の北京オリンピックの際に、世界中から非難を浴びた中国によるチベット弾圧。欧州でもチベットを支持する雰囲気が強かっただけに、今回の欧州歴訪は、中国にとって風当たりの強いものになりそうだ。