インターネットが当たり前の時代になってから、同様に当たり前となったインターネットバンキング。自分の口座を、銀行に行かなくても24時間いつでも確認する事が出来るし、振込みも出来る。何もスイスにいなくても帰国中の日本からだって出来るわけだ。

 急速に進んだインターネットが可能にしたシステムだが、ご存知の通り、インターネット上では知らない間に個人情報や会社のデータが漏れたり、ワンクリック詐欺にあったりと、IT犯罪も増えている。このインターネットバンキングもパスワードが盗まれたり、勝手に知らない口座にお金が振り込まれたり、姿の見えない誰かに資産や個人情報が日々脅かされている。

 そんな中、昨年ごろからスイスのPostFinanceが新しいセキュリティーシステムを導入した。既にご利用の方も多いと思うが、そのシステムを簡単に紹介したいと思う。

 まず、今までのインターネットバンキングでは、専用のログイン番号とパスワードで自分の口座が確認できた。今でも多くの金融機関はその方法であるが、PostFinanceでは、インターネットバンキング専用の緑のカードが別に発行され、小さな黄色の電卓のようなものが送られてくる。

 PostFinanceのウェブサイトからE-Financeログイン画面を開ける。サイト上にはそのデモバージョンが用意されているので、その画像と共に説明をして見る。 (参照画面はドイツ語ですが、実際のサイト上ではフランス語、イタリア語、英語に切り替えできます。)

 第1段階は通常のバンキング同様、自分のE-Finance番号パスワード(送られてきたもの)を入力し、次の画面に進む。

 第2段階は、Eingabe(2つ目の入力番号)が表示され、Codeの入力枠が出る。ここで小さな黄色の電卓のような機械を使い、専用の緑のカードを機械に差し込むと、Eingabeと表示されるので、ウェブサイト上に出ているEingabeを入力しOKボタンを押す。 (このEingabeは毎回違う番号です。)そして、PostFinanceから予め発行されたパスワードを入力しOKを押す。パスワードが認証されてはじめてCode番号が発行されるので、その番号をウェブ上のCodeの枠に入力しログインを押すと、やっと自分の口座情報が確認できます。

 口座の残高、バランス、出入金参照、振込み、引き落とし設定など、必要な作業を済ませたら、左下のE-Finance Logoutからログアウトします。できればその後、クッキーの削除をしておくと良いでしょう。

 このような感じで二重、三重にセキュリティーを設けて、外部からパスワードが盗まれにくいようになっています。当然のことながら、この小さな黄色の機械とインターネットバンキング専用の緑のカードは別々の場所に保管しておきましょう。

 どんなに頑強なセキュリティーも人が作ったものです。必ずそれを破ってくる人間がいるのも事実ですし、いつどんな形でパスワードや個人情報が漏れてしまうかも分からないのがインターネットの怖い所でもあります。便利になった代償は意外に大きいものかも知れませんが、利用者自身が高いセキュリティー意識を持って管理する事が、何よりも最初の段階での防犯対策となるでしょう。

 下記リンクにおいてPostFinanceのインターネットバンキングデモバージョンが各言語で体験できるようになっています。振り込み画面や残高照会画面も実際のバンキング通りの画面が出ますので、まだの方は一度試して見てはいかがでしょうか?

PostFinanceウェブサイト:www.postfinance.ch
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