国民投票で年金額増額案、定年引き上げ案

年金額引き上げ案

3月3日に国民投票がありますが、テーマは年金と定年。スイスにおいても、年金だけで生活をすることが難しい状況となりつつあるスイスですが、どこの国も少子化で分母が小さくなれば負担も増えて厳しくなるのは同じです。

近年の物価高、賃料の高騰で生活費は上がっています。そこで、年金支給をスイスの会社員のような給与体系で13カ月目のボーナスとして年間に支給する額を増やす計画を国民投票で提案しています。

それでも否決の見込み

しかしながら、世代間で差があり、40歳以上の人たちは賛成しているものの、若い世代は負担がかかるため敬遠され気味。高齢者の中にも、もらえる分が増えるのはいいが、若い世代の負担であることをわかっている人が多いようです。

仮に年金支給額の引き上げが決まっても、社会保険料などの増額でしわ寄せが行くことになります。この点を考えて、反対している人も多い傾向です。

定年引き上げ案

定年の引き上げ案。こちらは引き上げにより高齢者の負担となります。体力的にも職につくこと自体が困難な人もいて、経済的な理由で長く働きたい人よりも、1年でも早く引退したい人の方がスイスは多いのかもしれません。

こちらも否決の見込みが予想されています。

スイスに住む日本人には投票権がありませんが、自分の家族がスイス人の場合は人ごとではありません。スイスで老後を過ごそうと考えている人も、家族と一緒に考えてみる価値はあるでしょう。