ワクチン手帳

スイス版と国際版

ワクチンの手帳には、スイス国内版と国際版があります。コロナワクチンやB型肝炎などは、国際版に接種した証明のステッカーを貼ってもらい、海外に渡航する際に持って行きます。
スイス版は、マダニのワクチンなど、特に海外で入国の際証明する必要のないものになります。

日本にもワクチン手帳がありますが、大人になってからはほとんどワクチンを接種していないので、スイスに来てからも一度も接種をしたことがありませんでした。そのため、スイスのワクチン手帳は持っておらず、今後コロナワクチンの接種をするにはどこで入手できるのか?と思っていましたが、薬局やかかりつけの医師に頼めば、1フラン50程度で購入できます。
先日マダニのワクチン接種をしたのですが、その際にスイス版と国際版ワクチン手帳を入手しました。

ワクチンパスポート

現在スイス政府は、ワクチンパスポートの導入について準備を進めているようです。欧州国内のでの移動をワクチンパスポートでスムーズにするため、スマートフォンに登録して証明できるようにするというものです。日本でも最近は話題になっていますが、世界で統一したものを準備すれば、入国管理の検査も楽になるでしょう。

今でもボロボロになった紙のワクチン手帳を持っているスイス人がほとんどです。過去の接種記録もデジタル化して全て移行できればいいとは思います。
何十年も前に接種したワクチンは効果がないものがほとんどですが、医者に行くと、過去にこのワクチンは接種したことがあるか?など、聞かれることがありますので、記録としてあるのはいいことでしょう。

実際、自分が子供の頃に(日本で)接種したワクチンは、何をどの時期に接種したということをほとんど覚えていません。そもそも、日本で接種したワクチンの種類とスイスでの接種が違うので、比較はできません。実際、多くの方が日本の方公立学校等で集団接種をした経験があると思いますが、種類も頻度もはるかに多いようなので、スイス人や欧州の人は接種していないものもあります。
一度子供の頃のワクチン接種歴を確認してみるのも良いかもしれませんが、スイスに長く住んでいる方は、医師に必要なワクチンを確認してみても良いでしょう。

ワクチンに対する意識

自分自身、ワクチンの接種をこの数十年考えたこともありませんでしたが、コロナパンデミックにおいて、ワクチンに対する意識も変わってきています。もちろん不要と思うのものは接種する必要はありませんし、強制されることはありません。
どちらかというとスイス人はワクチンに対して、特に子供にワクチンの接種をあまりさせない傾向があります。例えば季節性インフルエンザのワクチンは小児科に子供を連れて行くとよく勧められますが、周りでも子供にはさせない人が多いようです、

日本でもワクチンの副作用で障害が残った事例などがあり裁判にもなっていますが、スイス人もその副作用を心配している人が多いようです。その意識は、コロナワクチンに対しても見られ、看護師など、医療関係者の接種希望率がかなり低いようです。医師の方達は多くが接種をしているようですが、医療現場で働いている方々の接種希望が少ないのはやはり副作用の心配からでしょう。一般の我々よりも知識は豊富なはずですので、意見が違うのも理解できます。

最終的には、接種するかは個人の決断ですが、今回はコロナワクチンを接種していない人に対する差別になりかねないという新たな懸念事項も出てきています。例えば、隣国への入国を拒否されたり、職場で差別されたりということが起きるのではないかという心配です。海外への渡航については、ワクチン証明がなければ、PCR検査の陰性証明が必要になる場合が現在のところ多いですが、未接種者だけが自費で検査をしなければならないとなると、確かに公平ではない気がします。
この辺のすり合わせを、ワクチンパスポート含め現在議論しているところだと思います。

日本への帰国はまだまだハードルが高いですが、ワクチンパスポートで自主待機免除になるなど、スムーズになってほしいです。