スイスの賃貸アパートのルールと共益費

賃貸アパートの共益費

日本と同じで、共益費を大家となる会社が家賃とともに毎月徴収します。これは、掃除費用や共有設備のメンテナンス費用、暖房費、水道費など、建物の維持にかかる費用に充てられます。そして年度末に一度精算し、大家の不動産会社から、何にいくらかかったかの明細が届きます。それを世帯数で割って、1世帯あたりの費用を計算し、共益費の額より多く払った場合は、戻ってくるようになっています。

昔の話ですが、大家が契約している掃除やさんや庭師、諸々のメンテナンス会社の費用が高く、さらには暖房費用の高騰で、かなりの額の追加費用を請求されたことがあります。ある家族は、暖房を冬の間中MAXにしていて、なんと6000フランの追加暖房費の請求が来たと言いますから驚きます。さすがに不明瞭な点が多く、管理費用諸々の価格が異常に高いということで、住人が署名を集め、全てのメンテナンス会社の変更がされました。

実はこの頃、大規模な内装のリノベーションをアパート全体で行った後で、暖房システムについても、建物に防寒素材の改築を外壁に施し、最新空調システムを装備。暖房費も含め、毎月のコストが下げられるという理由での改築だったので、昔から住んでいる住民は大激怒。署名を集めるということになりました。当時は、当方のような新入居者は以前の費用を知らないので、言われるまま払うしかなかったのですが、かかった費用明細を出さない業者や大家は注意が必要です。

また、その際に毎月の共益費の変更をしたほうが良いというアドバイスを不動産会社から受け、毎月少し多めに共益費を払うことにしました。その額は借りる側がある程度決めれたので、少し多めに毎月払うようにした結果、年度末の調整でほぼ毎年返金を受けています。

賃貸者協会に加盟する

賃貸の場合は、入居や退去以外でも、様々な問題が起きます。立場が悪ければ立ち退きなんてこともあるわけで、借りる側のマナーはもちろんですが、他の住人との付き合いも大事です。しかし、それだけで解決できない場合は、借り手の権利を守る、Mieterverein(ドイツ語サイト)、日本語で賃貸者協会とでも言いましょうか、不当な請求や貸主とのトラブルを仲介してくれる協会に加盟するのもお勧めします。

アパート自体が、オーナー制の大家さんなのか、それとも不動産会社が大家となって運営しているのかによっても、対応が異なります。個人で貸しているようなオーナーさんのアパートであれば、良好な関係を築ければ、臨機応変に対応してくれる可能性も高いですが、大きな会社が所有する賃貸アパートなら、例外対応はほぼないと思います。

アパートの項目は下記でも紹介していますので、参考にしてください。

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