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スイスの小学校の授業時間に差

スイスの新しい学年が各地で始まって、興味深い記事を読んだ。
スイスの学校での授業時間を調査したものだが、各カントンレベルで比較すると、授業時間の差が最大で187時間/年間、これが小学校6年間だと1000時間超の差が出ているというわけだ。
今回、一番授業時間が多かったのが、ジュネーブ地区で、少なかったのはルツェルンだった。
ただし、同じ科目に長い時間をかければ、学力が上がるわけでもなく、短い時間でたくさんの課題をこなす事も子供にとってはストレスで、どちらがいいとは言い切れないようだ。実際に、授業時間の最長だったジュネーブの小学生が、授業時間最短のルツェルンの生徒より学力が上だということはないそうだ。
スイスの小学校、年間授業時間
GE 928 / TI 878 / SG 877.5 / BS 850 / BL 829 / CH 820 / BEfr 819 / GR 791 / ZH 785 / SO 774 / BEde 765 / AG 760.5 / ZG 760 / LU 741
参照:Bildungsbericht 2018

各カントン、もっと言えば、各自治体レベルで与えられた授業の方針と課題を踏まえて、それに沿った中で、生徒の能力を引き出すことのできる担任教師の実力によるところが大きい気がする。
現在の小学校では、担任の教師の他に、母語がドイツ語やフランス語ではない生徒のために、語学補助の先生、いじめ問題や学校生活をサポートする専門の先生、工作、語学の教師と複数でサポートする形が主だ。
主要の科目は、数学、国語、テーマを設けたプレゼンなどの共同作業、と3つに別れ、学力の低下が見られる科目については、翌年から強化プロジェクトのような形で集中的に取り組む学校が多い。
小学校の高学年になれば、学力レベルがおよそ3つに別れ、次の進路に繋がっていく。しかし、同時にクラス全体の底上げも必要であるため、保護者会などでその年の方針を話すことで親にも周知してもらう。

とにかく、スイスでは全国全く同じということはなく、各地域での差が激しい。どこの地域のどの学校に通うかで、学校生活や進路も変わってくる。
国際的に見れば、スイスは高いレベルの教育だが、欧州ではフィンランドが短時間で理解力を高める教育においては先を行っている。アジアでは日本も効率が良い学習を取り入れているという結果出そうだ。

将来の社会を担う子供達の教育に、どこの国でも真剣に取り組むわけだが、現代では非常に多国籍な社会になりつつあり、言葉や文化の壁も乗り越えていかねばならない。もともと多言語国家のスイスでは、その点で国全体の教育政策でもうまく取り組んでいる国の一つではあると思う。

参照記事:bz Nordwestschweiz Basel