教育は学校だけに押し付けるのではなく、子どもを持つ親にも教育の一端を担う義務があると議論はよくされる。
その議論を具体化しようと、バーゼル・シュタットでは、子どもが学校で居眠りなどをし、家庭での生活態度が原因と思われる場合、その親に罰金を課す条例を提案した。投票の末、可決されれば本年度中にも施行される見通し。

 少子化の昨今、子ども部屋にTVが置いてあることは特に珍しくなく、部屋に閉じこもって夜中までTVやゲームに熱中する子どもも多い。親は全く干渉せず、子どもが何をしているかも知らないでは、いくら学校で指導を受けようが家に帰ればまた同じことの繰り返し。
そのような場合は当然、罰金の対象になる。

 居眠りを繰り返し、学習意欲をなくし、授業の進行を遅らせ他の生徒にも迷惑をかけるようでは、学校だけの責任には出来ないのは至極当然のことと思われるが、これを厳罰化し親に罰金を課すことが果たして効果を表すかどうかは、施行してみないと分からない。
子どもの各家庭環境によっては、状況も基準も異なるわけで、学校側も各家庭へ家庭訪問くらいの下準備は必要なのかもしれない。

 こうした試みがある程度の成果を出せば、他の自治体やカントンなども取り入れてくるだろう。いずれにしても投票により可決されなければ施行は出来ないが、改めて親の教育が見直される機会でもあろう。