国民投票

 2月9日に行なわれた国民投票は、最大の焦点であった、欧州からの移民制限の是非を問うもので、50.3%の僅差で可決となった。「欧州からの移民に反対」という問題提起は、スイスで雇用されている人や健康保険に加入している人はスイスに住めるが、短期間労働したあとに、失業保険や社会保険などを受給し、そのまま働かずにスイスに居住し続けるケースが問題視されているためで、家族呼び寄せなどで、スイスの移民の数は増え続け、これら社会保障の負担は当然税金で賄っている。
 こうした状況を踏まえて、移民反対に票を投じた人がわずかながら多かったが、スイスは外国人労働者に支えられている国でもあり、EUとの関係悪化が否めない。おそらく、EU諸国からの反応がこれから出て来て協定の見直しなどになると思われます。

 もう一つは「中絶費用は自己負担で」と言う議題。こちらは69.8%で否決されました。中絶に健康保険が適用されている割合は0.03%とわずかであり、スイスは中絶の少ない国でもあることから、可決するメリットが少ないと判断されました。

 3つ目は鉄道のインフラ整備について。こちらは、62%で可決され、鉄道事業の整備、拡充に予算が充てられます。