ラクトース、グルテンのアレルギーと食品

ラクトースアレルギー

スイスでは、ラクトースフリーやグルテンフリーの食品が普通のスーパーでも買えます。最近はこうした食品の種類が増えていて、コーナーを設けているお店もあるくらい認知されています。

そもそも、ラクトースアレルギーとは何か? ラクトース(lactose)とは乳糖で、哺乳類の乳汁に含まれる二糖類のことを言います。
つまり乳製品に対する耐性がなく、摂取するとお腹を下すなどの症状が出ます。

実は日本人は8割近くがこのラクトースアレルギーだそうですが、昔は認知もあまりされていなかったためか、気にせず乳製品を摂取している人が多いようです。実際、スイスに来てから、スイス人には牛乳は飲めるのか?と聞かれたことが何度もあります。
自身は幸い問題はないのですが、確かにあまり好んで牛乳は飲まないかもしれません。実際、思春期の頃は、それまで1日1リットルは飲んでいた牛乳をほとんど飲まなくなった時期があり、おそらくラクトースアレルギーが強く出ていたのかもしれません。今では大量に摂取しない限り、特に問題はないのですが。

しかし、このアレルギーを持っている人は、市販のアイスクリームや乳製品は摂取できず、料理もラクトースフリーものもを使用しないと食べれません。仮にうっかり食べてしまっても、医師から処方された錠剤をすぐ飲めば、アレルギー反応が出ないようで、常時携帯している人も少なくありません。
ラクトースフリーの商品は、価格も高めで、食費もかかるようです。

グルテンアレルギー

また、グルテン(gluten)とは小麦や大麦、ライ麦等に含まれる蛋白質の一種で、こちらもアレルギーを起こす人は、小腸で消化ができず炎症します。
グルテンフリーの商品もまたスーパーでの購入が可能で、パン類やパスタなど種類も豊富になってきています。

とはいえ、人の家に招かれた場合や外食をする際には気を使わねばならず、大変であることは間違いないでしょう。実際に自身の周りでも、このアレルギーを持った友人知人、身内にもそういう方がいます。そうした場合は、グルテン・ラクトースフリーの食材で料理を準備しますが、特に味が変わるいうわけでもないので、アレルギーでない人も問題なく食べれます。

以前、30名ほどの友人たちを招いて、食事会をしたのですが、1人だけラクトースアレルギーの友人がいたので、食事を注文した業者には、全てのメニューをラクトースフリーで作ってもらいました。それでも、味に差が出ることもなく、他の友人たちも誰も気がつきませんでした。

とにかく、現代では色々なアレルギーが発見されて解明されていますが、食品添加物などの違いでも反応が出ることもあります。実は自身は、日本ではリンゴジュースとブドウジュースを普通のに飲めていたのに、欧州に来てからこちらのものを飲むと問題が起こるようになりました。どうやら食品添加物の何かが合わないらしいです。代わりにオレンジジュースを飲むようになり、こちらはなぜか問題ないようです。
ちなみに果物としてリンゴやブドウは問題なく食べれます。

また、卵のアレルギーという人もいて、多くの料理、加工食品などで使用されているので、こちらもかなり大変なようです。特にお子さんでスポーツクラブに所属し、合宿などで遠征する際は、食事の管理が大変だとか。子供だけ、何か持参をするか、予め調理可能なものをお願いしておくなどの配慮が必要になります。

とにかく、乳製品の多いスイスでは、こうした食物アレルギーに苦しむ人もいて、学校や職場でも理解は深まってきているものの、外での食事には気を遣うそうです。食事に招待する側も食べれないものがないか、アレルギーはないかと聞くことが増えているのも事実です。

少し大変に思われますが、周囲の理解があれば回避できることでもあるので、最近は食物アレルギーを持っている人も過ごしやすくはなっていると思います。

隠すようなことでもないという人もいるので、人を家に招待する際や招待される場合は、聞いてみると良いかもしれません。