カオマバザー19年間の活動に終止符

19年間の活動に終止符

ZUGにある教会の施設を借りて、長年開催されてきたカオマバザー。

コロナ禍の2回は開催がなかったものの、19年間にわたり、ザンビアのエイズ孤児院に寄付を続けてきたバザーです。

このスイスワンダーネットでは、売り上げ収支を報告したり、当日の写真を掲載したりして微力ながらサポートしてきました。

主催者の押川Geis恵美さんとは、2008年の手打ちそばのイベントで偶然知り合ったのですが、秋にバザーを開催するので、良かったら来ませんか?ということだったので、家族で出向いたのが最初だったと思います。

カオマバザーのホームページなどがないので、良かったらスイスワンダーネットでも紹介してくれたら嬉しいとのことで、恵美さんのプレゼンの際に皆さんの前でご挨拶させて頂き、今後バザーの収支報告などをサイト上で出すのでぜひ見てくださいと挨拶したのを覚えています。

その頃、スイスワンダーネットもまだ1年目の駆け出しサイトでした。

この時はバザーに14回も参加することになるとは正直思っていませんでしたが、今ではすごく良い思い出です。

在スイスの日本人との交流

このバザーには、スイス各地から日本人の人たちが集まってきていたので、自分が住む地域とは別の地域の人たちとの交流ができて大変有意義でした。

美味しい日本食の提供、お惣菜や日本のパンなども購入でき、皆が楽しみながらザンビアの孤児院に寄付ができるというシステム。

そして、他のバザーや日本祭りでは見かけることが少なくなった日本の古本の数々。ここ数年は、保管場所の確保が課題にもなっていましたが、本当に大量の日本の本やDVDが並んでいました。

かつて日本からスイスに大事に運ばれてきたであろう貴重な古本も多々あり、それらを眺めるだけでも楽しいものでした。

まだインターネットもない時代にスイスに来られた方は、スイスの生活において活字に飢えていたとよく聞きました。日本から届く小包の中の包装紙の新聞を隅から隅まで読んだという話もあります。

そんな先輩方が日本から持ち込んだ本の数々もまた、次の世代の人に渡って読まれているのだと思うと感慨深いものがあります。

ザンビアの孤児院を訪問した押川恵美さん

ザンビアでは何倍もの価値を持つスイスフランで支援し、多くの若者が職業訓練や学校に通うことができて、彼らからビデオメッセージも紹介されました。

また、バザー10周年の時には、主催の押川恵美さんが実際にザンビアのエイズ孤児院を訪問して、その様子をビデオでも紹介してくれました。

その時の様子を、旅行記として電子書籍としてまとめられたので、ご興味ある方は読んでみてください。

(Amazonジャパンから購入できます。)*外部リンクに飛びます。

ザンビアでの作物が思うように育たない厳しい自然環境や教育システムの違いや政治の仕組みなど、様々な壁を乗り越えられるように行ってきた支援ですが、現地でこの孤児院を立ち上げ運営していらしたアイルランド人のシスターメアリーの引退とともに終了となりました。

シスターメアリーとの交流を主軸にした支援だったためバザーの幕を閉じたそうです。また数年後にはカオマ・チェシーア・ホーム自体もなくなる予定だそうです。

たくさんの人が関わったバザー

押川さんの話によると、当初は古着を集めてザンビアに送るという支援から始めたそうですが、重量もあり、送料もコストがかかり大変なため、バザーという形で食事や古本の販売にして、その売り上げ金を寄付する形に変わっていったそうです。

このバザーには、本当にたくさんの方々が関わっていて、家族総出で調理をして食事を提供したり、古本を各地で集めて持ってきてくれたりと、日本人スイス人に関わらず皆が楽しめるバザーでありました。スタッフとして、手伝っているという感覚がなかったのもこのバザーのいいところです。

実際に関わった方々の人数は分かりませんが、19年間で相当な数にはなると思います。初回から最後まで1度も休まずに参加された方や、毎年のように準備してスタッフとして搬入や搬出に力を貸してくださった方々もたくさんおられます。

また、19年間という時間を経て、スタッフや演奏家のお子さんの成長なども毎年見ることができました。主催の押川さんのお子さんたちも小さな頃から参加して、随分と大人になったなあと感慨深いものがありました。

バザーを通して多くの方々と交流が持てたこと、ザンビアという遠い国の子供たちの支援につながったこと、そして、19年間継続できたのは、バザー主催の押川恵美さんの人望の厚さあってのことだと思います。

バザーに関わった皆様、本当にお疲れ様でした。こうした場があったことに感謝をしたいと思います。

今後も別の形で何かしらの支援は続けられると思いますが、このスイスワンダーネットに掲載した記事や写真も残しておきたいと思いますので、皆さんには、好きな時に過去のバザーの写真などを見ていただければと思います。

スイスワンダーネット管理人