ホームセンターの賑わい

ホームセンターの営業再開

 新型コロナの自粛生活の末、段階的に自粛を緩和しているスイス。最初の緩和で営業が再開された美容院とともに賑わっているのがホームセンター。美容院は、当方も営業停止の直前に行き逃してしまったので、早く行きたいなと思っていましたが、ホームセンターはたまに行くものの、それほど必要としていなかったので、これほど賑わっているとは思いませんでした。
 スイス人が買い求めているのは、お花や庭の手入れをするために必要な土、苗木など、庭関係のもの。レジでも、カートに鉢植えや苗木をたくさん積んでいる人を見かけます。確かに、スイスの家の庭やバルコニーには、綺麗なお花がきちんと手入れされています。スイスの街中や観光地でもよく見かけるベゴニアなどは、建物の出窓などでスイスらしい景色を彩っています。

 お花の手入れとかに無頓着な我が家は、その時に売っている苗木を買ってきてバルコニーに入れますが、種から蒔く花などは、一体いつ植えて良いやらわからないのが本音です。販売されている種の袋の後ろには、植える時期が書いてありますが、確かにこのコロナで自粛している期間に植えるべきものが多いような気もします。

割れ窓理論とスイスの治安

 スイスは綺麗で安全な国とよく言われますが、皆がそうして綺麗なバルコニーや庭を作ることを心がけている成果でもあります。バルコニーの花と安全な国という、一見関係ないように思える話ですが、「割れ窓理論」というのがあるように、犯罪発生率が高い地域で、割れた窓を直していっただけで、犯罪率が下がったという割と有名な理論です。
割れた窓を長い間放置しておけば、やがて他の窓も割られてしまうという、心理的な人間の行動を利用し、その逆である綺麗な状態を保つことで、犯罪率も下がるという理論です。
 つまり、スイス人が気にしていた庭やバルコニーのお花の手入れが重要だということは、スイスが綺麗で安全な国ということに繋がります。

習慣の違いとウィルスの感染率

 国によって習慣が違うことは、今回のコロナウィルス感染率にも影響しているのかという議論がされますが、きちんとしたデータが出ているわけではありません。しかし、様々な習慣の違いは確かにあり、マスクの着用から、家での土足まで、もしかしたら影響しているのかもと思わせる習慣の違いはあるにはあります。
 いくつかあげてみると、

1、マスク着用に慣れている日本人とマスクをしない欧米人。
2、家では靴を脱ぐ日本と土足の欧米。
3、握手やハグ、チークキスをしない日本人とする欧米人。
4、手洗いうがいを小さな頃から習慣付けている日本人。

などなど、結構あります。
 逆に、インフルエンザで熱があっても、会社に出勤してしまう日本人は、ウィルスを撒き散らしているでしょう。自身も日本にいた頃は毎年のようにインフルエンザにかかり、社内でうつされました。あるいは同僚にうつしたかも知れません。通勤電車もいつも満員で明らかに感染しそうな状況でした。

 話が脱線しましたが、普段習慣付けている行動が今回の自粛生活と緩和で見えてきた気がします。また、人は少し気が緩むと大変だったことをすぐに忘れます。コロナウィルスはまだ残っており、持病などリスクのある人には危険なわけですが、お店が開いてしまうと、やはり皆街に出て、危険性を忘れてしまいがちです。今回の緩和政策は、今の所うまくいっているようですが、やはり先週末のバーゼルのように、夜のバーなどで人が密集したのを問題視しているスイス政府。まだまだ油断はできないのかな、と思うわけです。

 ホームセンターの賑わいとともに、ウィルスも消えてほしいところです。