過酷な介護現場の状況

介護士との接触

入居者と一番近くで接する介護士の方々の状況は、普段のそれではなくなっています。まず、介護士は住み込みではないため、当然家に帰ります。ドイツやフランスからくる介護士も多くいて、国境を封鎖されていてもスイス側に毎日越境で働きに来ています。いつもは普通に国境を超えてこれるのが、今はチェックが厳しくなり朝から渋滞。仕事に行く前にすでにストレス状態です。
そして、入居者に感染をさせないために、十分注意を払うため、ちょっとでも風邪の症状がある場合は、自宅待機させます。
この状況ですから、体調を崩す人も多く、すでに2名ほど心臓発作を起こして、自宅待機になっている介護士がいるそうです。このしわ寄せが他の介護士にも行き、休みが減っているか、介護部門のマネージャーなどは休みが取れない状態です。

日曜も休暇も返上

また、6月までは休暇も返上ということで、これは介護士のみならず、施設の職員ほぼ全員が対象になる予定だそうです。介護の現場がこの状況ですので、他の部門の職員もできるサポートはしていこうということで、介護士が担当する雑務などの仕事をシェアする提案がなされているようです。
また、入居者家族の接見が禁止になったとはいえ、着替えや必要なものを届けにくる家族が後を絶たず、施設の外での対応に追われることが多くなり、シャットダウンしたために対応作業が倍に増えているということです。

ただし、この状況でも介護士を休ませないわけにはいかないので、できる限りのシフトを組んで回すことが求められています。
こうした中で、施設内の雰囲気は殺伐としているようです。見通しの立たないことほど不安はありません。
増え続ける感染者がいる限り、今や誰もが感染するリスクを持っているので、こうした老人ホームのような施設では、徹底した管理をしないと施設内感染が起きてからでは遅いということは明白です。

自宅待機が続く中、いっときも休まることがない病院職員や介護士の方々の働きには本当に頭が下がります。
早期収束ができなければ、医療崩壊どころか、日常生活が崩壊してしまう危険性も十分あります。
まずは、このコロナウィルスの感染拡大収束へ向けた見通しが早く出ることを期待したいです。