ヴォー州のワイン産地は全州と言っていい程に広がっている。これを大別すると、レマン湖岸地区と、ヌーシャテル湖、ムルテン湖、ビール湖の3湖岸地域に隣接する、オルブを中心とした地区の2つに分けられる。しかし、生産量のほとんどはレマン湖岸地区が占めている。オルブを中心とした地区は、コート・ドルブと銘打たれ、宣伝されている。

ヴォー州のレマン湖岸地区は

1.ラ・コート地区(ニヨンからローザンヌまで)
2.ラヴォー地区(ローザンヌからモントルーの外れ、シヨン城まで)
3.シャブレ地区(シヨン城からローヌ渓谷沿い)

にわかれている。

ヴォー州のワイン生産量は、スイスで二番目でだが、一番目のヴァリス州とそんなに変わりはなく、この2州が突出している。この2州の生産
量を合わせると、スイス全体の生産量のおよそ3分の2に達する。主にはシャスラを使った白ワインを生産しているが、ピノ・グリ、シャ
ルドネなどといったヴァラエタルワインも生産されている。ヴィオニエを生産する所も増えて来ている。赤ではピノ・ノア、ガメイや、サル
ヴァニャンと呼ばれる、この地域の伝統的なピノ・ノアとガメイの混醸品が多く見られる。一方消費志向に合わせるかの様に、樽熟成やガラノ
ワー、コルナランなどの比較的力のあるワインが増えて来ている。ワインの生産量の7割が白のため、白ワインの産地として知られているが、
赤やロゼ、ブランシュなども作られている。