あたたかくなってきたスイスでは、多くのプールが既に開放されている。水着を持って出かける子供たちもちらほら見かけるようになったが、プールで下着着用禁止とはどういうことか?

 これは昨年の夏から、主に男子中高生の間で流行しているファッションで、水着の下に通常の下着をつけてプールに行くと言うもの。このファッションのポイントは、ブランドの下着を身に着け、水着を少し下げた状態の腰履きにして、下着のブランド名が見えるようにするというもの。よく見るとこの格好で歩いている学生が多いのに気がつく。

 これによって、プールの底には必要以上のほこりや繊維が溜まるうえに、通常の下着というだけで不衛生でもあるとの理由から、プールでの下着着用禁止となったわけだ。更に下着だけではなく、綿素材などの長いズボンタイプの水着を禁止したプールもあり、スイス全国のプールでは禁止の方向に向かっている。特に長いズボンタイプの水着は、普通の衣類なのか、水着なのかが判断しづらいうえ、その下に下着を付けているかどうか個別に確認するわけにはいかないので禁止なのだそうだ。ビキニタイプの水着や薄い生地のぴったり密着したタイプであれば、下着を付けているかどうか一目瞭然だというのが理由だ。

 確かにプールを下着で泳いでいる人の姿を想像すれば、あまりいい気分はしない。若者のファッションは、どこでどう流行するか分からないので面白い反面、他人に不快感を与えてしまう事もある。マナーの良い学生も多いが、自己主張が強すぎて限度を超えてしまうのは、どこの国も同じなんだと実感するが、スイスは日本に比べると、それを注意する大人がまだいると感じるのは気のせいだろうか?