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辛いものが苦手なスイス人と好きなスイス人

スイスのタイレストランでの辛さ表示はマイルド

スイスで辛いものを食べようと思うと、タイ料理とかメキシコ料理でしょうか?インドのカレーもありますが、そこまで辛いメニューを出していないような気がします。

たまに勘違いしているスイス人がいるのですが、日本料理はそれほど辛いメニューがあるわけではないと思いますが、日本人なら辛いの得意でしょう?と聞かれることがあります。こればかりは好みの問題なので、何人であっても辛いのが苦手の人はいます。ただ、その度合いが違うのかなと思いますが、それでいえばスイス人は辛いものが苦手な方でしょう。

スイス人にカレーライスを作ったら

その証拠に、いつだったか、寿司以外の日本のメニューも食べてもらおうと、スイスの友人に日本のカレーライスを作ったことがありますが、確か中辛のルーを使ってほとんど辛いとはいえない味にして出したのですが、友人のスイス人は汗をかきながら食べていました。最初は冗談かと思いましたが、スイス料理にはない香辛料ですので、多分経験したことのない辛さだったんでしょう。

ちなみに日本人に対して辛いのが強いイメージを持っている理由は、どうやら寿司に入っているわさびのイメージのようです。しかし、わさびの辛さとカレーの辛さ、唐辛子の辛さ、カレーの辛さはちょっと違うので、スイスの人は辛いものが全て一緒になっている感じがしました。

日本語では、塩辛いとか甘辛いとか、コクのある辛さなど、表現はいくつもありますが、その微妙なニュアンスはドイツ語やフランス語ではなかなか伝わらないかもしれません。最近は日本語でもよくわからない表現をする人もいますが、、、

辛い食べ物が大好きなスイス人もいる

ある友人のスイス人男性は、奥さんがタイ人で、家に招かれると食事はいつも奥さんの作ったタイ料理でした。これまで自分が食べたタイ料理の中で、彼女のタイ料理がいまだに一番美味しいタイ料理といってもいい美味しさです。そして、味付けも本場タイの辛さですが、スイス人の旦那さんは平気な顔して食べています。一度お手製のトムヤンクンをご馳走になりましたが、誤って唐辛子を噛んでしまい大変な目にあいました。それでも、辛いものが得意なスイス人の旦那さんは唐辛子をそのまま食べていました。タイのお店で仕入れた特別辛い唐辛子だそうで、やはりスイスにあるタイ料理屋の辛さは全然辛くないレベルと言っていました。まあ、タイの人からすれば当然でしょう。昔バンコクでもトムヤンクンを食べたことがあるのですが、辛さ控えめでお願いしたのに完食できないほどの辛さで参りました。

次のページは、味覚の違い、旨味を求めて日本に行ったスイス人の話

味覚の違い

本当かどうかわかりませんが、ある日本人の方が、「日本人は欧米人の何倍もの味覚センサーを舌に持っていて、それは子供の頃に細胞レベルで形成されるので、大人になってから訓練しても改善するものではない。」と話していました。

つまり幼少期の食生活で、味の濃いものばかりを食べていると味覚がおかしくなり、薄い味や微妙な味の違いを認識しなくなるということでした。確かに、こちらのメニューは相対的に味が濃いかもしれません。それはファストフードばかり食べている日本の現代っ子にもいえることです。例えば、日本特有の「出汁の旨味」は、日本人だと、味噌汁やスープに出汁が入っていないと、何か抜けた味がしてしまいます。しかし、一般のスイスの人は出汁が入っていてもいなくても、気がつく人はほとんどいないということです。

これは最近ブームのラーメンでも同じで、麺同様、スープが命のラーメンの出汁では、出汁を全く取っていないラーメンスープに遭遇することが欧州の日本食レストランではあります。日本人のように出汁を取らず、醤油や味噌のスープの素を入れただけという感じがするのは、そのせいでしょう。

旨味を追い求めて日本に修行に行ったスイス人の話

その旨味に注目し、日本の出汁の文化に興味を持ち、日本に渡航し鰹節作りから学ぶスイス人がTVで紹介されていたことがあります。かなり前の放送だったのですが、確かスイスの料理人の方で、日本でも数少ない手作りで鰹節を製造している家族経営の会社に行って作業をしていました。そこのご主人は、スイス人が出汁の旨味、鰹節の旨味に真剣に向き合っていると感動していたのを覚えています。

それを見たときに、前述の日本の人が話されていた、幼少期に経験していない味は欧米人にはわからないというのは、果たしてどこまで信憑性があるのかなと思いました。そのドキュメンタリーに出ていたスイス人は、旨味の違いに気がついて日本にまでいったわけですから、少なくとも彼にはわかっていた違いです。確かに、料理人を目指していろいろな味を経験することで、味覚は育つと思います。その過程で、日本の出汁や旨味というものに出会ったという印象でした。

日本人とスイス人では、間違いなく味覚は違いますが、個人差が大きいのも事実です。幼少期に食べていたものの味や匂いが強く記憶に残るのは知られていますが、味覚はある程度は大人になってからも変わるものです。子供の頃美味しいと思わなかったものが、大人になってから好きになることはあります。その意味では、味覚も鍛えられるのかなと思います。

 

 

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