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終戦記念日にタリバンがカブールを制圧

タリバンが支配地域を拡大

終戦記念日の8月15日に、タリバンがアフガニスタンの首都カブールを制圧したとスイスで報道されていました。スイスでは、終戦記念日のニュースはあまりやりませんし、戦争に巻き込まれなかった国ということもあるのか、関心も低いようです。地球の反対側のことで当然知らない人も多いです。逆に広島や長崎の原爆の日のニュースの方が多いかもしれません。
それと同じように、日本では中東情勢のニュースはそれほど積極的に報道されません。中東で戦争があることも知らない人がいます。政治家や著名人のスキャンダルの方が話題になりますので、TV番組もあまり扱いません。

アメリカが軍を撤退発表してから

トランプ政権の時に、アメリカ軍をアフガニスタンから撤退するという約束をしてから、この状況なので、非常にわかりやすい動きではありますが、昨日の15日にアフガニスタンの大統領が出国して首都カブールを制圧したということです。
アメリカは中国に脅威を感じ、そちらに予算を大きく配分しましたが、皮肉なことにその中国はタリバンを支援しています。その結果、タリバンは米軍が撤退したアフガニスタンの支配に動いています。

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平和的政権移行を望むタリバン、新世代?

ニュースを見ていて驚いたのは、政権の移行を暴力なしで平和的にとタリバンが言っていることです。しかも、タリバンは女性の権利を向上させようという提案もしているようです。ヒシャブを着用すれば女性単独での外出も認めるということも提唱しているようです。新しい若い世代のタリバンの考え方なのでしょうか?アフガニスタンの人たちはそんな事は信じずに、一刻も早く国を出ようとし、空港や陸路は大渋滞。銀行の現金引き出しにも大行列です。実際には、制圧された都市ではタリバンによる暴力や女性の権利の圧力はあるという報告も出ています。

露頭に迷う国民

自分の住む国がこんなことになるなんて、我々ではほとんど想像もつきません。更に、近隣諸国に流れ出るアフガニスタンの人たちは歓迎はされず、避難した先で差別にあうことも起きてきます。それでも、家族を守り生きようとする姿には言葉がありません。
現在、大使館職員やアフガニスタンに滞在する外国人の出国や保護をどの国も率先して行なっているようです。

これから、アメリカをはじめ、欧米諸国が介入して行くと思われますが、軍事的な制裁で無関係な国民に犠牲が出ないことを祈りたいです。
日本は戦争をしない国になりましたが、8月15日の終戦記念日に、新たな戦争が始まっていることに複雑な心境です。

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