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コロナ禍で若者の鬱が増加

冬場に多い季節性鬱

もともと、日照時間が短い冬の間は、気分が落ち込みやすく、季節性鬱になる人は毎年います。この1年は、コロナウィルスの感染拡大により、政府がロックダウンをしたり、防止対策のための規制を敷き、外出も減りました。閉鎖的な雰囲気の中、本来人との接触が多いであろう若者(14歳から24歳)の精神科の受診が36%も増加しているそうです。

健康な人でも、これだけの長期間に渡る制限された生活は、窮屈なものです。仕事場でも、先週のロックダウンからは、ホームオフィスが強化され、会社の事務所には見回りが来るというような話も聞いています。その反面、学生たちは、中学、高校とまだ通常の授業が行われているとこも多いです。すでにコロナ変異種の感染拡大で、遠隔授業に切り替えたカントンや地域もありますが、比較的接触が多い世代でも鬱の患者さんは増えているそうです。

成績に影響が出ている

昨年の春には、およそ2ヶ月間、遠隔授業が行われました。その結果、自宅で十分に課題や新しいテーマに取り組めず、学習意欲も成績も全体的に下がっていることがわかっています。夏に新学期が始まりますが、生徒たちにとっては進級の時期でもあり、本来成績が悪くて進級できなかった子供たちも多数が、そのままコロナ特例という形で、学年が上がり、余計に負担になっている場合もあるそうです。
スキー合宿などは、中止になり、友人たちとの遊びも減り、学校以外の生活ではこもりがちです。そのような、落ち着かない背景の元、将来に不安を抱く若者が、鬱になってもおかしくはないでしょう。

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家庭内での環境の変化

今は子供だけではなく、多くの親も家での仕事に切り替わっており、家の中はいつにも増して、騒がしい状態です。おそらく集中できていない環境が大人も子供も続いているの間違いないでしょう。ちょっとしたことで、腹を立てて、喧嘩になったりというのはよく聞きます。皆ストレスがかかっています。
もちろん、コロナウィルスに感染しないことが一番ですが、制限された環境な中で、精神的に参ってしまう人も多いのが現実です。

職業訓練の後の就職先

職種にもよりますが、昨年の夏に職業訓練を終えた若者たちは、コロナのため、就職先の決定にも影響が出ています。観光業や飲食は軒並み営業停止となり、働く予定だった会社が倒産した人もいます。これから社会に出ようとする人が、出鼻をくじかれている状態です。翌年に繰り越せば、また次の年度の生徒たちに影響が出ますので、非常に難しい状況ではあります。
また、病院や介護施設では、人員が求められているので、即戦力としてそうした職業訓練を終えた若者を取りたいのですが、これもまた最初から非常に厳しい環境での勤務に怖気て辞退をする人も出ています。今でも、人手が足りない介護や病院スタッフ。働き始めても、おそらく面倒をあまり見られない環境になるかもしれません。

こうした環境に身を置いて、先が見えない状態では、気分が落ち込むどころか深刻な鬱状態になってもおかしくはありません。
政府や自治体もこうした若者を支援するとしていますが、コロナウィルスの感染拡大以前に、精神的な問題を抱えていた人が多いのも事実で、今年の課題にもなっています。

以下はホットラインです。

Hotline bei Angststörungen und Panik, 0848 801 109

Pro Juventute, Tel. 147

Dargebotene Hand, Tel. 143

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