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年末に際して

今年を振り返る

年明けから春まで

今年を年明けから振り返ってみると、自由に行動ができたのは、最初の2ヶ月ほどでした。1月の終わりには、アジア地域でのコロナウィルスの話が出始め、3月の中旬にはフライトが欠航したり、スキー場が閉鎖になったりと、制限される生活の始まりです。恒例のお祭りファスナハトも大トリのバーゼルは中止。郊外の地域ではギリギリ開催できたところもありました。
それからは、スーパーでの買占めやマスクの売り切れ、価格の高騰など、日本との郵便もストップされ、なかなか手に入りにくいものも出てきて、世界全体が大変な状況へと向かって行きました。スイスでは、お隣イタリアの死者数の激増が脅威となり国境封鎖。スイス国内でも感染者数はあっという間に増え、介護や医療関係者はさらに過酷な勤務状況となりました。そして、学校はホームスクール、会社員は可能な人はホームオフィスで勤務となりました。

夏には少し落ち着きを取り戻し

それも夏頃には、感染者数が落ち着き、スイス国内での休暇に出かけ始めます。束の間の休息と言った感じで、他の欧州国ではそうしたスイスの対応を警戒している動きもありましたが、割と自由に動けた気がします。マスクを着用している人は、ごく少数でした。

秋頃から第2波が

それも秋になると、10月以降、コロナ第2波となります。サッカーの試合では観客数が1000人まで緩和され、各地でそうしたイベントの規制を緩めた結果、感染者が激増し、1日1万人を超えた日が2回もありました。これを無視できなかったスイス政府は感染防止策を毎週のように強化し、ついには店舗でのマスク着用義務化。イベントの禁止など、12月に入るころには、より制限された生活になっていました。
ドイツなどでは、ロックダウンに入り、スイスもいよいよロックダウンか?という雰囲気でしたが、飲食店の営業が制限された以外は、通常の小売店は入場制限をして営業をしています。

クリスマスと年末年始

今年のクリスマスは少人数での会食を認め、必要ならばマスクをし、できる限り人に会わないように注意していた人が多いと思います。この頃から、コロナウィルスのワクチンの供給時期が決まり、同時にコロナ変異種がイギリスで出始めます。年末からワクチン接種が始まったカントンもありますが、ワクチン嫌いのスイス人を懸念してか接種は無料。それでも懐疑的でしたが、いまではワクチン接種の最初の予約はいっぱいだということで、スイス政府も春から夏までに接種を広めたい考えのようです。

しかし、まだどのくらいの期間ワクチンの効果が持つのか、変異種ウィルスには効果がどの程度あるのか?など、わからないところもあります。ワクチンの開発は異例の早さで準備されましたので、副作用が怖いという人も多いのが当然です。ワクチンの効果が持続するのは3から4ヶ月、もしくは6ヶ月持つのであれば、年に2回の接種で足りるだろうという話でも出ています。それも、最初の接種をした人のデータがまだ出ませんので、これから実際の反応や効果を期待したいところではあります。

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経済的な回復はいつになるか

会社員も含めて、商売をしている人など、経済的にダメージを受けた人が多い1年でした。それも年が変わって自然回復するわけではなく、厳しい状況は変わりません。政府からの資金援助も業績が回復して行けば、受けた資金分を返金していかねばなりません。すでに倒産に追い込まれた企業や会社の業績悪化で失業した人もいます。2021年はそうした経済政策も非常に重要になってくる1年だと思います。

一方では食品関連事業は、スーパーが封鎖されなかったこともあり、好調だった部門もあります。知人の会社では、ドライフードの生産が増えて工場はフル稼働だったようです。つまり保存食的なものが例年以上に売れたということです。缶詰などは一時スーパーの棚が空になっている状況も見ていますので、うなづけます。
トイレ紙やマスクなど、日用品も買いだめをする人が多く、一時品切れ状態も続きました。

また、資金的に余裕のある事業者などは、この営業停止時期に店舗の改装をしたり、オンラインの事業を拡張したりと、投資の時期に回った人もいます。お店の経営が難しくなり手放したテナントの1等地を確保をした人もいます。周囲には商売をしている人が多いせいか、コロナ後の準備をしている人もかなり多かったという印象です。

とにかく、ここまで落ちてしまった経済状況ですので、来年は上向くのみと思い年末を迎えています。
しかし、一番の望みは、健康であることでしょう。これほどまでに世界が未知のウィルスに左右されるとは思ってもいませんでしたが、いくつかのことは今後の教訓にもなった気がします。

このスイスワンダーネットでも、多くの人がコロナ関連情報を求めてアクセス頂いたので、今後も役立つ情報をいち早くお伝えしていきたいと思います。
来年はもっと明るい話題をお届けできるようにしたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

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