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ドイツの首相が涙ながらに演説。コロナウィルス感染拡大を受けて

メルケル首相が涙ながらに訴え

ドイツは、コロナウィルス感染で死亡した人数が500人を超えたことを受けて、メルケル首相が演説をしました。クリスマスを控えたこの時期に、ソフトロックダウンを実施しているドイツですがあまり効果が見られず。クリスマスの期間だけ、会うことのできる人数を緩和すると約束していましたが、1日で500名を超えたコロナでの死者数を深刻な状況と捉え、クリスマスを含め、年末年始に追加措置を強化する考えがあると発表しました。

最後のクリスマスにならないように

自身もコロナに感染しているメルケル首相は、目に涙を浮かべながら、今年のクリスマスを我慢すれば、来年はおじいちゃんやおばあちゃんと皆でクリスマスが祝えるかも知れない。我慢しなければ、最後のクリスマスになるでしょう、と国民に向けて語りかけました。メルケル首相は来年退任が決まっていますが、長年ドイツを率いてきた首相として、最良の決断をしなければならないと覚悟している様子です。判断を誤れば多くの国民の命が危険に晒される可能性もあり、その責任を感じているようです。経済は後でも取り戻せるが、命は取り戻せないということでしょう。

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ドイツよりも感染率の高いスイスでは?

スイスでは、国全体の追加措置は依然として統一されず、カントン(州)レベルの独自の措置を実施していて、足並みが揃いません。それでも、やはり秋の第2波で判断を誤った可能性があると、健康保健相のアラン・ベルセ大臣が話しています。そうした流れをみる限り、スイスでもさらなる規制強化が予想されます。カントンによっては、高校以上の生徒は冬休みの延長を予定していますし、飲食関係も営業の短縮、もしくは停止をしています。クリスマスまで2週間ですが、おそらく今が決断の時でしょう。このまま経済を優先して流してしまえば、結果的に長引くかも知れません。今年の春の第1波では、冬から春、夏と気温が上がって行き少しおさまりましたが、第2波は秋をスタートに増えており、寒くなるこの季節の違いも影響します。

ドイツの仕事関係者もロックダウンを覚悟

メルケル首相の演説を見て、ドイツにいる筆者の仕事関係者もロックダウンを覚悟しているようです。現在は飲食店の営業が停止、マッサージやネイルサロンなども閉鎖されています。この状況では、ワクチンが供給されても、なかなかおさまらないことを予想し、更に厳しい措置になることは明白です。クリスマスの前後と新年が鬼門でしょう。寂しい年末年始になるかも知れませんが、やはり我慢の時なのかも知れません。

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